おてんば姫、ファニーの冒険 284
こうして、ファニーはモンデールの家督を継ぎ、国を導く者となった。
その夜。
盛大な王位授与式が行われ、皆が寝静まった夜。
魔物たちによって性欲を改竄させられてしまったファニー、いやファニーたち4人は、王国の牢屋に集まっていた。
「みんな、本当にごめんなさい。…貴女たちの身体まで、こんな風になってしまうことが分かっていたなら、最初から旅になんか行かなければ良かったと思うの。 」
ファニーは悔いていた。あのまま城の中にいれば、犯さなくても良い危険がどれだけあったのだろうか、と。
「姫様…」
今までのファニーの旅は、危険だらけであった。闘技場で処女を奪われ、数えきれない程大勢の魔物たちに犯されてきた。身体も開発された。
並の精神力では、気が狂っていただろう。
「恨んでも良いのよ?…思い返せば思い返すだけ、貴女たちにはいつも苦労ばかりかけさせてきたから。」
犯され続けても尚、心が壊れなかったのは、一途にファニーが人の為に在ろうとする一心
だろう。
「姫様。それ以上言ったらきつく説教させて頂きますよ。」
話の腰を折ったのはレイだ。
「姫様を護衛したのは、確かに立場上そのようなところもあるでしょう。しかし私は、騎士でなくとも姫様を守りたいと思ったのです。魔物に犯され身体はおかしくさせられましたが、その件で姫様を恨むことなどあり得ません。」
「レイ…」
ファニーを元気付けようとするレイ。
「寧ろ、私は嬉しいのです。姫様を守るために今の身体を背負った思えば、幾らでも自力で乗り越えるつもりでした。」
「…」
言葉が見つからないファニー。申し訳なさそうに表情を曇らせると、レイが咎めた。
「寧ろ、私は嬉しかったのですよ。私が欲情に負けじと自傷しているのを知られたときは、それは情けない限りでしたが、姫様より『牢屋にいる魔物に一緒に犯されて欲しい』と言われて、お役に立てることが嬉しいのです。」