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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 274

「でも、確かにシャーリーの言う通りだわ。あの頃の私ったら、青臭いガキそのものだったから・・・」
少し懐かしむような表情を見せるファニーに、シャーリーは笑みを見せたまま口を開く。
「しかし、今は・・・今の姫は王者の風格をお持ちです」

王者の風格・・・
シャーリーはそうファニーを感じた。
かつての本人が言う青臭いガキもシャーリーは微笑ましく好感を持っていたが、まるで数十年を経たような成熟を持ち得た今は、また印象は違えど前以上の好感を持っていた。

顔つきはあの頃とそう変わってない筈だが、変化した身体と沸き上がるフェロモンがファニーを少女の歳では有り得ない程の妖艶さを見せていた。
特にフェロモンは凄く、女のシャーリーですらファニーのフェロモンに当てられて秘部を潤ませてしまう程だから、男であれば襲いたくなる衝動が抑えれなくなってもおかしくないと思ってしまう。
それでも性欲旺盛の獣人達がシャーリーの鼻でも感じる程欲情し、射精までしながらむしろファニーを護るように行動させてる要因こそ・・・シャーリーが言った王者の風格だろう。

フェロモンと同様に放たれる血筋を証明するような気高い品位・・・
優しげな笑みと優雅な物腰でありながらも、圧倒されるような威厳・・・
冠を戴いていなくとも、彼女が王者であると疑う余地がない・・・それが今のファニーを見たシャーリーの感想だった。
「認めてくれたのは嬉しいけど、私はそんな大した女じゃないわ。貴女が思うより私は弱いわ」
「・・・弱いと言える事が、今の姫の強さと思います」
彼女の聖騎士に負けないぐらいの真摯なシャーリーにファニーは苦笑気味になる。

「ありがとう、でもわたしはただ事実を言ってるだけよ。王者どころか売女の方がふさわしいわ」
「売女など、誰がそのような事を」
売女と聞いて、シャーリーは激昂のあまり剣を引き抜き立ち上がった。
「誰がといっても、色んな人としか言いようがないわ。貴方もここへ来る途中、わたしに関する噂話の一つや二つぐらい聞いているでしょ」
ファニーの言う通り、この国でのファニーの評判は芳しく無かった。
本来なら文化と歴史あるモンデールの姫君が自国のアイドル的貴公子の許嫁な訳だから、国民諸手を挙げての歓迎となる筈だが・・・
今のファニーは魔物に拐われて純潔を奪われ、あまつさえ魔物の子供まで産んだ存在なのだ。
ステファン公子が救い出したのは美談だが、ファニーを見たことも無い庶民からすれば・・・これが自国モンデールでなく他国であるが為に、噂が噂を呼び彼女の評判は地に落ちていた。

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