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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 259

この連撃で右目が潰れ、右前頭部も陥没して大量出血している。
この機会を逃さない者がいた。マッコイとレオーニである。
「魔狼め!その命貰った!」
「てえりゃ!!」
左右から今度は2人が首目がけて斬りつける。
バジュッ!!
ごとん。
こうしてベートは首を左右から切り落とされ、あえなく最期を遂げたのであった。
その横で、ようやく再会を果たしたティーエとアンナ。
だが、ベートの最期を見て、アンナは不思議な悲しみに囚われていた。
「うっうっ・・・・・・・・・」
(やっぱり・・・・私、彼を夫としてみてた・・・・・)
「どうしたのですかアンナ?!」
「どうされましたか?」
他の仲間も集まってくる。
「私・・・私・・・・ベートのことを・・・・うう・・・・・・・」
とりあえずティーエがアンナを優しく抱きしめる。
「いろいろ大変だったのですね。ところで姫様はどこですか?」
本当は間諜に教えてもらってあるのだが、アンナの意識をベートからそらせるためにあえて訊いた。
「うう・・わからない・・・・ずっとここにいて、トイレも隣にあるからこの部屋から出たことが無いの・・・」
「そうでしたか・・・・とにかく探しましょう。」
「わ・・・私も・・・いっしょに・・・・」
「アンナ大丈夫ですか?赤ちゃんを抱えたまま戦場を走り回るのは・・。」
バン!!
ステファンが窓を衝撃呪文で叩き破る。鉄格子もろとも窓が外れ、部屋に穴が開いた。
「フリーデブルク!誰か1騎ここへ廻せ!アンナさんを救助した!」
通信機を通じて、怒鳴り込むように言った。
まもなくドラゴンが1騎、ステファンが叩き割った窓の前に着地した。
そのドラゴンは多少返り血を浴びており、また対地攻撃用の太陽石2発をすでに使い切っていた。
「殿下、アンナさんを!」
「うう・・」
「とにかく、赤ちゃんとともに乗ってください!」
「はい・・・。」
ティーエと飛竜騎士と後席魔術師の手を借りて、アンナと赤ちゃん2人はドラゴンに跨った。
「よし、行け!」
「はっ!とりゃあ!」
アンナたちを乗せたドラゴンは再び空に上がる。今度は地上襲撃が目的ではなく空中退避だ。
外に出たティーエは念のため上空を見たが、飛行モンスターはまだ現れてないようで、推進炎を吐きながら「風の鎧」隊4人が周囲警戒に当たっていた。
ドン!
ゲェギャア!
バゴーン!
魔物の断末魔の悲鳴や、太陽石の炸裂音など、戦場音楽が聞こえる中、ティーエは再び中に戻った。
「あとはファニー姫だ!2階へ行くぞ!!」
ベートの部屋を出て再び廊下を駆け出す。
強豪であることがわかった滝川四郎を先頭に、一団となって階段目がけて走る。
だが。
前方から、いくつかの部屋の扉が開き、また角を曲がってきて、多くの魔物が現れた。
ゴブリンなどの有象無象も多いが、骸骨剣士など油断できない相手もちらほら見受けられた。
「ごおおお!!!」
ジュラーブリクが滝川四郎の左横に飛び出し、雄叫びを上げる!!

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