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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 139

「ファニー殿の申し入れ有り難く思いますが、その申し入れはお断り致しますゲヒョ」
ファニーは船長の答えに納得出来ず「何故なのです!」と詰め寄る。
「ファニー殿、海の上には海の上の戦い方がありますゲヒョ。
確かにファニー殿が剣の達人と聞いてはおりますが、それは陸の上での話。
例え剣の達人でも海の戦い方を知らぬ者が助太刀しても邪魔になるだけゲヒョ」
船長の重い言葉にファニーは引き下がるしかなかった。
そしてガックリ肩を落とすファニーと安堵するアンナに船長は今度は優しい顔で話かけた。
「それよりファニー殿にアンナ殿ちょっと此方の部屋に来て下さるゲヒョ」
船長は二人を別の部屋に案内した。
そこはモンデールでは見る事の無い異国の物が揃った別室であった。
二人は無言でただただ見つめている。
「色んな国々へ行くので珍しい物も集まるゲヒョ。
特別なので貴女方に何れか一つ差し上げるケビョ」
船長がそう話した。
二人は最初こそ遠慮したが船長が尚も勧めるので二人は有り難く選ぶ事にした。
するとファニーはある物の前で止まり、その物に目を奪われてしまう、それは漆で塗られた短い棒の様な物だった。
それは肘から手の指先程の長さで、よく見ると拳一つ分の所で切れ目があった。
「これは何なのですか?」
ファニーが質問すると船長は答える。
「あっ、これは東の外れで作られた“刀(かたな)”と呼ばれる品物で、これは短いが長い物だとファニー殿の持つ剣と同じ位の長さの物もあるゲヒョ。ただ…」「ただ?」
「今まで船員の誰一人、鞘から抜けないゲヒョよ…」
と船長が答えている最中にファニーは刀を手に取り意図も簡単に鞘から刀を抜いたのだった。
船長はやっぱりと頷いていたがファニーは刀の美しさに見とれるばかりだった。
そして今度は船長から紙を一枚貰い、紙を投げ刀を一回振りそして突いた。
すると紙は二枚に切れ一枚は床に落ち、もう一枚は刀に貫かれていた。
「ねぇ船長!この刀、私に頂戴!」
ファニーの迫力ある願いに船長は思わず「良いゲヒョよ…」と言わざろう得なかった。
ファニーにとっては海の上での戦いこそ出来ぬが剣の練習が出来る様になり、何より船に降りてからの旅に向けまた一つ武器を手に入れた事になり多少はファニーの気が晴れた。

そしてアンナもある物に目を奪われていた。
それはちょっと変わった首飾りだった。
それは小さな真珠を、細い銀の鎖で繋いだ物だ。
どこが変わっているのかというと、真珠の色が真ん中のところから、黒白に分かれているのだ。

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