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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 14

「おばあちゃん、お茶はうれしいんだけど、やっぱり占いの店に来たんだから、占いをしてほしいんだけど」
「そうだったね、ここは占いの店なんだから、占いをしないといけないね」
老婆はいたずらが見つかった子供のように笑った。
「それじゃ何を占おうかね、やっぱり年頃の娘らしく恋愛運かのう。そうじゃお嬢ちゃんは大会の参加者だったのう、抽選会で顔を見ておる、となると大会の結果を占ったほうがいいかの」
「うーん、それも興味あるけど、わたしが占ってほしいのは、わたしの運命そのものなの」
「運命!?」
「正確に言えば、これからわたしはどうすればいいのか、それを占ってほしいの」
ファニーは今までにない、真剣な顔をして老婆をの顔を見据えた。
「運命ね、ちょとばかし漠然すぎるね」
老婆もまた、これまでとは違う、顔を見せた。
人のよい老婆から、思慮深けな占い師の顔へと。
「お嬢ちゃんは今どうしたいと考えているんだい」
「前は、前はこの大会に参加したら、その後直ぐに城へ帰ってお父様の進める相手と結婚するつもりだったの。でも旅をしてゆくうちに、このままでいいのかって思うようになったの」
「旅をする前までは、わたしは城の中のことしか知らなかったの、でも旅をしていくうちに、少しずつだけど、世界が、皆ががどれだけ苦しんでるかを知ってしまったの。知ってしまった以上、このまま城でのほほんと暮らしていけないの」
ファニーは息せき切ったように話した。
老婆はそれを聞き、目を細めた。
「お嬢ちゃんを見てると、英雄王レーンを思い出すよ、いい世お嬢ちゃんの運命、占ってあげるよ」
「本当!?」
「ああ、まずはこの水晶をじっと見てごらん、その後わたしが力を込めるから、それで結果が分かるはずだよ」
老婆が力を込め始めると、水晶玉はみるみるうちに暗黒に染まっていった。
全てが暗黒になった瞬間、小さな輝きが灯った。
「暗黒の中の小さな光、それがお前さんの運命じゃよ」
「小さな光?それがわたしなの」
「そうじゃ、それ以上はこの老いぼれにはわからん。じゃは道はきっと開けるはずじゃ」
「暗黒の中の小さな光・・・それがわたし?」
そう言われても、ピンと来なかった。
「まあ、そんなに大層に考えんでもいいぞ、人生ジタバタあがいていくものじゃ、今はできることだけをしなさい」

その後老婆からお茶とお菓子をご馳走になり、それから店を出て、自分の宿舎へと戻った。
そして剣術の稽古に打ち込んだ。
旅を止めるにしろ続けるにしろ、この大会にだけは後悔がないよう、全力でぶつかってゆきたいと考えたからだった。
そして翌日、ファニーは闘技場の舞台に降り立った。

『それでは只今より、1回戦第1試合をはじめます。』
 魔法で拡声されたアナウンスが、闘技場内に響き渡る。
『イーストコーナー! 地元アイラ島出身。バルバックス!』
 東側の入り口から、鋼の全身鎧を着た大男が入ってくると、観客達から盛大な歓声が沸きあがる。
『ウェストコーナー! 今大会初出場。王都モンデールより来たポルン!』
 ファニーが西側から入ってくると歓声と一緒に…
「おーい、こっちむいてぇ」
「嬢ちゃん可愛いねぇ。こんな危ないことやめて、おじちゃんと遊ばない」
「パンツ何色。ちゃんと洗ってる」
「一晩いくら〜?」
 …などと、予選の時よりも酷い野次まで飛んできた。

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