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blood&witch
官能リレー小説 - ファンタジー系

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blood&witch 59

「もしよろしければ貴方も共に…ミササギを討つ意志があるならば…」
「できるなら私が奴を殺してやりたい…だが駄目だ…もう時間がないのだ」
「時間って何だよ?」
フェイクが訪ねた。
「………イセリアを埋葬してやってくれ。……イセリア………愛…し……」


言葉は消えた。

ガシャンーー…

ナリナ達の目の前で騎士は倒れ、バラバラになった。

兜はもう光は無く、動く気配はもうしなかった。

ガランー…と、地下室の冷たい壁に、虚しい音がこだました…。

……
………


ザクッ、ザクッーー…
屋敷の庭に深い穴が掘られ、イセリアの死体と騎士が底に並べて置かれた。
「用済みだからって…」
ステイが瞳をうるませながらうつむく。
「解っていたのだろう、自分にかかっている魔術が解除されたのが」
ナリナは屋敷から見付けた葬式用ベールを被っている。他の者も、葬式に見合う物を屋敷から持ってきて身に付けていた。
「二人は…向こう側で逢えるんでしょうか…?」
「さぁな?神とやらが慈悲深ければ、どうにかなるだろう。…フェイク、眠らせてやれ」
「ああー…」
フェイクは二人に土を被せ始めた。それと同時に全員、二人に祈りを捧げ始める。
(どうか…この二人が天国で幸せに暮らせます様に…)
フルルは繰り返し繰り返し、心の中で願い続けた…
  
  
「さて、それでは50万シクルを貰いに行くか」
「「「「え???」」」」
ナリナの発言に皆が一瞬動きを止めた。
(そういえば確か町長にふっかけてたっけ…)
「正直我々は騎士を倒した訳ではないので心苦しいが、ラグナロクまでの資金は必要だからな」
にんまり笑うナリナの手には一冊の本が握られていた。
 
「…と言うわけで騎士は操られて人々を襲っていたとゆーことだ」
場所は変わって町長宅。報告するナリナの爽やかすぎる笑顔はかえってその背後に不気味ささえ感じる。
「…それでは本当に騎士の亡霊はもう現れないのだな?」
ナリナの笑顔を目の当たりにし、背後に冷たいものを感じつつ町長は確認する。
「外道のような死霊術師が現れない限りはな」

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