妹(スール)は男の娘!? 7
「大丈夫?ごめんね、優子が怖い顔しちゃったから」
「恵、もうその冗談はよしなさいよ」
あのハーフっぽい人は恵さまというのか…
…もちろん、優子さまは怖い人じゃない。
少しきつめの顔かもしれないが、心優しい人なんだ……たぶん。
「翼さん、大丈夫だった?」
「へっ?」
…俺のところにお茶を持ってきてくれたのは、クラスメイトの遠野栞さんだった。
…なぜ彼女がここに?
「あ、栞さん…」
「翼さんが深雪さまに連れられてここにきたって聞いて、ビックリしちゃった」
「あ、ああ…」
どうして栞さんがここにいるんだろう…
「栞とは同じクラスなのね」
「え、は、はい」
恵さまはニコリと笑う。なんか表情が絵になる人だ。
「栞はね、私の妹なんだよ」
「ま、まじでぇ…?」
「うん、マジマジ」
よく笑う人だ。その笑顔が眩しい。
恵さまが栞さんの隣に来て、栞さんの肩に触れる。
「3年と1年の姉妹ってのもありなんですか?」
「別に姉妹制度に学年の決まりなんてないからね」
なるほど…
「ってことは、栞さんも生徒会役員?」
「一応ね」
そこで優子さまが再び
「生徒会については、私のほうから説明…それよりも、まだ私たち、自己紹介が出来てなかったわね」
「あ、はい…」
「私は水橋優子。深雪の『姉』よ。で、そっちのちょっとチャらいのが」
「優子…チャラいってどういうこと…あ、私は澤野恵」
恵さまは笑顔のまま。
うーん…確かにちょっとチャらく見えるかもしれない。
あと男装が似合いそうな気もする。
近くまで来てわかったけど、恵さま、俺より背が高いかも。
…で、あと一人。
「あ、私は栃原恵里」
恵里さまは相変わらずニヤニヤしている。何考えてるかわからなくてなんだか怖い。