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タクノロスの書(狂気の蟲毒)
官能リレー小説 - 異種姦/獣姦

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タクノロスの書(狂気の蟲毒) 1

ここに一つの書物がある。
中世ヨーロッパで起きた狂気の事件について記されている。
医師であったタクノロスはこれが、なにか呪術的な原因によっておきたものと判断。
狂気に堕ちた複数の女性を診察し、その症状と彼女たちの恥部から発見された蟲についてまとめたものだ。
そのため
タクノロスの書は別名、狂気の蟲毒と当時は呼ばれていた。
恐ろしいことに、この書物には、
彼、タクノロスは後世の研究のために少女たちが孕んでいた蟲毒の卵をある場所に封印したことが記されていた。

その日の朝日荘は肌寒い冬の風が建付けの悪い木枠の窓を鳴らして、隙間風を送り込んでくる
時代遅れの石油ストーブの上に乗ったやかんがしゅんしゅんと音を立てている。
去年の腐った灯油がくすぶり、黒煙とくすんだ匂いを発していた。

僕の同棲者、橘ユキ先生は、パソコンの前で力尽きていた。
といっても死んでいるわけではない。
彼女は帰宅した直後はすぐに寝落ちする癖があるのだ。
だから同棲者であり、彼女の助手である僕は、彼女が風を引かないよう
昨日押し入れから出したばかりのそのストーブに火を入れ彼女が起きるのをまっているのだ。





彼女の研究しているのが“タクノロスの書”である、一見すれば趣味が悪い官能小説とも受け止められるが、そうでもない文書が出てきた……と言うよりは何かしらのトラブルで外部に流出したと言うべきだろう、この手の類にチンプンカンプンな私でも分かる露骨なる流出、この同棲は彼女の父親からの指示であり大学時代の奨学金全額返済を肩代わりにする条件に私が監視役である。ラテン語混じりの資料やら目にしているうちに色々と考えてしまう、もしこれが本当に存在したとすれば……ファンタジーかそれともサイエンスなのか、興味はある。
「おっと、薬缶の空炊き防止っと」
私はヤレヤレと思いつつも助手として役割も果たす。

机のほうから、小さなくしゃみが聞こえた後、「寒み。」と小さな独り言が聞こえた。
しばらくすると近くにあったバスタオルを被り、彼女がストーブの前にすり寄ってきた。
「先生。お休みになれましたか?今、カフェオレでも作りますね。」
僕はストーブから移しておいたお湯でインスタントのコーヒーを溶かした。
「うん。ありがとう。砂糖は少なく、生クリーム多めで。」
そういうと先生は足先で椅子をストーブ前まで引きよせ、暖をとっている。

コーヒーを渡すと、先生は猫のように丸まりながら、ゆっくりとコーヒーをすすった。
先生の脳が現実に戻ったのを確認すると、僕は先ほどの本について確認をした。
「先生。今回はまた奇妙なものを研究されているんですね。今日来る依頼人となにか関係があるんですか?」


「うん。先月、大学の方から紹介されてね。某お偉いさんから、この本についての見解を教えてほしいってことらしいわ。」
「僕には中世のオカルト本にしか見えないですけど。」
少しあきれた表情で僕は答えた。
「まあ、そうね。しかし、問題なのは、この書物に出ている症状がある場所で発生しているということなの。だから正確には、病気の解明の依頼があって、症状をたどっていったらこの本に行き当たったというわけ。」
「でも、どうして医大とかでなく、3流大学の民族学者のところに?ぐふ…」
先生のケリが僕を直撃した。
「3流は余計でない?これでも、一流のリサーチ力と行動力を持っていることは、結構業界で知られているんだから。今、私の大学が持っているのは、私のおかげといってもいいでしょ。」
ケリを入れられたことには不服だったが、彼女の言っていることは間違っていないだろう。彼女は作家としての一面もある。むしろ、作家としての知識や知名度、マネージメント能力を買われて、講師の依頼があったというほうが正確かもしれない。
 
「そもそもこの様な資料内容を医大が相手をすると思う?私なら被害者を直に見せるわよ……人権やら問題あるかもしれないけど時にはそれを目を瞑った方が良いわ。恐らく先方の某お偉いさんは最初は欧州に居る研究者に接触を試みた、だけど彼らは何れも学会から異端視扱いされているから極端な社会不信になっている……私も親しい関係者も彼らの居場所すら知らないわ」
写真には下半身を露出した少女から産卵された卵が映し出されている、これがフェイクで特撮なら可也腕前が良い……ハリウットに出入りしている猛者だ。
「それで先生にお鉢が回って来たと?」
「正直、私も眉唾モノって思っていたわ……この資料を見るまではね」
先生は苦笑した笑顔になる。
「私としてはこれをフェイクと断定できない、そして私の手元にある書の写しが果たしてこれが全部なのかもね……」
「某お偉いさんって言うのは?」
送られて来た資料に名刺も入っておりそれを見た私は目を丸くした。
「……まっ、私から言わせれば本物さ。これがどうして欧州では無く日本の某地方にあったのか……この分だと防衛省も動いているねぇ……」
彼女はニッとしてコーヒーを飲みほした。

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