妖精人工繁殖記 1
妖精 人の手の平サイズの生き物で好奇心旺盛。だがその好奇心は悪戯好きへと変わり可愛い見た目と裏腹に厄介者であった。
そのため一時、駆除という名の乱獲が行われた。羽から採れる妖精の粉の魅力もそれを助長させていき、そして野生の妖精は絶滅寸前目で数を減らしてしまった。
しかし今まで妖精の粉の利益に目の色を変えていた者にとってそれは由々しきことであった。しかしそこで保護ではなく人工繁殖を選ぶのは人の業であろうか。
妖精の男女比は0.1:9.9と圧倒的の男が少ない。そのため男の妖精1匹に対して100の女が集まりハレムを築くのは珍しい事ではない。男の妖精を手に入れることはそのままそのハレムごと手に入れる事と同義である。
そしてそれは若いものほど顕著と言えた。
皮の被った幼いペニスを一生懸命突き動かして快楽をむさぼっている様子はこちらの思惑通りで笑いが止まらない。
また改良したといってもウツボカズラである、底に溜まる溶解液はペニスの薄皮を溶かし、入れた亀頭はほおっておけばえらいことになるだろう。
「あぐ、うあぁぁぁぁぁ」
その証拠に最初に突っ込んだ奴が苦しみのたうちだした。
上下左右にランダム飛行を披露してぐったりと力尽きた。
この予想以上の状況に狩猟者たちは口元の笑みを隠す事が出来なくなっていた。
彼らが植えた植物は男の妖精どもを惑わし、罠に掛かった男がさらに他の男を呼び込んでいく好循環。
もちろんそこには大量の女の妖精もいるわけだが当初はウツボカズラに捕らわれた男たちを助けようとしていたがウツボカズラの色が透明になり中の男根を見た瞬間、彼女たちは理性を捨てた。
妖精という種の男女比から分かる通り種を残すためにはとにかく子を産まなければならないのだ。
つまり妖精と言うのはもれなく女は淫乱であり、男は絶倫であることを定められた生き物なのである。
そして始まるのは男を取り合う数百もの女たちの生存競争という名の醜い戦いであった。
そこまで確認した狩猟者たちはいよいよ重い腰を上げて動き出した。
「もらったーーー」
「させるかーーー」
「ぐべっ」
周りの女たちを出し抜き男の下へ辿り着いた者にそうはさせじと会心のドロップキックが顔面に刺さり邪魔者を排除する。
「こんにちは、未来の旦那さま。こんな植物より私の方が気持ちいいってことを教えてあげるんだから。けどこれはずれないわね。けど所詮は植物、本体から切り離せば問題ないはず?」
ふといきなり影が差した。
「あ」
それしか声が出なかった。
影の正体はもちろん狩猟者たちだった。
ゆっくりとゆっくりと慎重に包囲を狭めていき最高のタイミングで動き獲物を狩ったのだった。
妖精の男と、彼らをモノにしようとした女の子妖精達多数は、狩猟者の放った罠によって一網打尽になった。
「だしてよー!」
「捕まっちゃった…」
「ごめんなさい、僕の為に…」
嘆く妖精、仲間に謝る妖精、怒り騒ぐ妖精など雑多な声がするケージが運ばれていく。
「元気な妖精たち。これはうまくいったね」
「そうだね。君の策がこんなにうまくいくとは思わなかったよ」
トラックのハンドルを握る青年に、相方の女性が語り掛ける。