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駆け抜ける、青春
官能リレー小説 - 学園物

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駆け抜ける、青春 13

怒られないのがもどかしくもある。

「頑張ってない訳ではない・・・でも結果に繋がってない・・・この場合考えれるのは努力の方向性が間違っているか、練習に身が入ってないか、そのどちらもかだね」
「はい・・・」

穏やかな前川の言葉。
中学時代の顧問とは正反対に、前川は常に穏やかであった。

「こちらから見る限りにおいては・・・駒崎の場合どちらもだね」

自分でも練習に身が入ってない感があったし、そんな自分自身に苛つく思いもあった。
だが努力の方向性が違うと言うのは分からない。

「努力の方向性と言うのは?」
「うん、そうだね」

今までも前川に幾つか質問した事はある。
その度に的確なアドバイスは貰っていた。
だから今回も苛立つ自分の出口を前川が答えを出してくれると思っていた。

「トイレであんなに大きな声でオナニーするのは努力の方向性が違うと思うな」
「・・・」

一瞬何を言われたか理解できなかった・・・
理解できた瞬間、春香は真っ赤になる。
バレていたのが恥かし過ぎた。

まさか顧問に本当にバレていたとは…春香は動揺する。目の前にいる前川を直視できない。
もしや妄想の通りにそれをネタに本当に犯されてしまうのではと戦慄する。

前川には動揺した春香の表情は確認できなかった。
長い前髪でいつも目は隠れ気味で、その素顔が窺い知れるのは本当に気合を入れた時くらいだからだ。

「溜め込んでおくと身体に悪い。俺で良ければいつでも相手をするぞ」
「は………はいぃ!?」

豪速球ストレートな物言いに春香は大混乱。
前川が立ち上がり近づくと、いよいよ襲われるとばかりにビクッと身をすくめる。
身をすくめていたが、そのまま襲われる妄想の期待で股を濡らしているのだが・・・

だが、前川がしたのは・・・
優しく春香の頭を撫でる事だった。

「激しい運動をすれば性欲が溜まるのは当たり前の事だ・・・それをきっちり解消しないと成績を落とす者も多い」
「せんせぇ・・・」

辱める目的じゃなく、競技者として必要な事を言われてる事のようにしか聞こえない前川の言葉に、春香はちょっと涙が出てくる。
何故涙が出たのか本人もよくわからないが、物凄く心がざわついていた。

「異性が恥ずかしいなら、奈緒美に言えばいい・・・彼女もそれを理解しているしな」

指導の一環と言う立場で言う前川。
思わず見上げて前川を見た春香だったが、前川の爽やかな顔から欲望らしきものが感じられなかった。
その顔を見た春香の胸がキュンと高まる。
そして自然とこう言ってしまった。

「先生にして貰いたいです・・・」

小さく、蚊の鳴くような声で告げた春香。
その声は前川にもしっかり届いていた。

「いいのか?」
「はい…先生がいいです…」
「そうか」
前川は春香の顎を軽くクイッと上げる。
前髪の奥に潤んだ瞳が見えた。

スッと前川が春香を抱きしめる。
そしてゆっくり背中をさする。
妄想と違った優しい行為に春香は思わずウットリしてしまう。
こんな事をされたら惚れてしまう。

前川は春香を抱きしめ、膝の上に乗せて撫でる。
くすぐったくも心地よくて春香はそれに身を任せる。
妄想の前川とは違う大事にされてる感があった。

そして身も心も緩んできた所で前川の手がジャージの下・・・
その下のショーツの中に侵入する。
クチャっと濡れた股間に指が触れて、欲しかった刺激に春香が甘い声を漏らしてしまう。

「こんな風にして辛かったろ?・・・楽にしてあげるからな」

クチュクチュと股間を弄りながらも前川からはガツガツした欲望は感じさせない。
それが余計に春香を高まらせる。

「ああっ、先生っ、先生っ!」

妄想の中の力で屈服させる前川像が、優しい年上の恋人兼コーチに書き換わっていく。

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