朝、目が覚めると……… 23
オレの頭に二人の手が置かれる。
「土下座なんて…」
「そうよ…顔をあげて、帝ちゃん」
恐る恐る顔を上げる。
「キスしてくれたら許すって言ったじゃないですか」
「帝ちゃんが真由だけじゃなくて、私にもちゃんと話してくれれば…それでいいわ」
飛鳥さんと真由が微笑みを浮かべる。
『だから、キスして?』
見事にハモった。さすがは姉妹。息が合ってる…
「本当に…いいの?」
俺は恐る恐る2人に聞いてみた。正直、この美人姉妹にキスするのは
悪くないけど、出来ればおでこか手にキスするのが望ましい。
安易なキスは2人を傷つけるかも…
「帝さん、ちゃんとしたのをお願いします…」
「帝ちゃん、目を閉じるから・・・お願い…」
2人ともゆっくりと目蓋を閉じる。その姿に俺は思わず、ドキっとしてしまった。
美人姉妹が俺のキスを待っている。…心臓が爆発しそうでドキドキする…
2人の瑞々しい果実のような唇に誘われるかのように、俺はゆっくりと
歩みよった…
ちゃんとしてって…オレって単純で読みやすいのかな?
二人にここまでさせて…覚悟を決めるか!
飛鳥さんの肩に手をおくと、ビクッと震える。
徐々に互いの距離を縮め、その柔かい唇に触れた。
「んっ…」
「んっ、ふう…」
俺は最初の「接触」をしばらくそのまま味わっていた。
そのうち飛鳥さんが口をわずかに動かすと、俺も動かした。
まるで赤ん坊の唇が母親の乳首に吸い付くように、ゆっくりと
それでいて貪るように。
飛鳥さん柔らかい唇…少し湿っぽくて…甘いです。
「んっ…にゅる、くちゃ……」
飛鳥さんの舌が侵入してくる。俺は拒む事なくそれを許した。
口の中を隅々まで舐め回し、舌にからみついてくる。
じっくりと、ねっとりと。飛鳥さん…キスが上手ですね。
「ちゅぱ…れろれろ…んん…」
「んん…ちゅぱちゅぱ…」
一体どのくらい経ったのか。一分なのか十分なのか…そんな感覚すら薄れた中で、名残惜しむように互いの唇が離れていく。
「はぁ…帝ちゃん」
飛鳥さんがうっとりした表情でオレの名を口にした。
「飛鳥さん、上手いんですね」
キスの所為か、思考力が低下して思わず口に出していた。
「ふふ、ありがとう。でも、やっぱり初めては緊張するものね♪」
満面の笑みでそんな言葉が返ってきた。
「そうだったんですか?」
そういえば彼氏がいたっていうの聞いたことないな…
「あの…」
声の主のほうを振り向く。そこには真由が頬を朱に染め、もじもじしていた。
「わ、私も…」