朝、目が覚めると……… 128
和美が冷や汗をかいている玲二をフォローするように、加奈に聞いてきた。
「そうですね。このお店は女の子達の間では、有名なんですよ。
わざわざ遠方から来られる子達もいますので、けっこう忙しいんですよね。」
ちらっと別方向を見る加奈。
その方向には・・・この近辺では見られない制服の女子高生達がいた。4人で何やら話しているようだが・・・。
『もぉ、数世!!いくら美味しいからってそんなにパフェを食べなくてもいいでしょ!!』
『もぉ〜小百合ったら。いいの!!あぁ〜ん、私、もう幸せ〜〜♪』
『まったく、数世は本当にパフェが好きだな。なぁ、弘美。』
『あら〜〜?そう言う衛だって、御代わりを食べてるじゃん。数世ちゃん、美味しいわよねぇ〜〜♪』
などと話しているのを、帝達が聞いているかはわからないが、とにかくこの店が繁盛しているのは確かだ。
「本当だわ。私、最初メイド喫茶て聞いた時、男の子が多いと思っていたけど・・・。」
「そうですわ。もっと早く来ればよかったです。」
蓮も留奈もすっかりこの店を気に入ったようである。
一方帝達はと言うと、先ほど会話していた女子高生達を見ていたのだ。
「なぁ、玲二。何見ているんだ?あの女の子達か?」
「あ、いや、あの子達、都立坂崎高校の生徒だなぁって、つい見ていたんだ。」
「まったく、お前って奴は。」
都立坂崎高校か。確か隣町にある高校だっけ。
まぁ、女ったらしの奴なら知っていて当たり前か。
「もぉ、帝に玲二!注文はまだなの?加奈ちゃんを待たせたら悪いでしょ!」
「そうですわ。加奈さんは忙しい身なんですから。早くしないと」
蓮と留奈にせかされ、俺と玲二は急いでメニュー表を見る。
「玲二、お前何にする?豊はもう注文したのか?」
「あ、あぁ俺はジャンボクリームパフェを‥‥」
豊の注文に唖然とする帝たち、すると玲二が、
「ハハハ、豊、昔から甘い物好きだったからな」
「い、いいだろ別に‥‥」
一通り注文し終わり待っていると帝が玲二に聞いた。
「ところでさ玲二、加奈ちゃんとはどこで知り合ったんだよ」
「あ、あぁそれは‥‥」
玲二の話だとこうだ。玲二と加奈が知り合ったのは中学二年の時、サッカー部にいた玲二の試合を加奈が友達と見に来たらしい。
何でも加奈の友達の彼氏が玲二と同じサッカー部にいたそうだ。その頃の玲二は今と変わらず、可愛い子には皆に声をかけていた。玲二はルックスはいいほうだしナンパすれば大抵の女の子は着いてくる。
当然、加奈にも声をかけた訳だが‥‥
「あたし、あんたみたいなタイプ嫌いなのごめんね。それからあんまり誰でも声かけたりしない方がいいよ。そんなことばっかりしてると、誰からも好きになってもらえなくなるから」