性徒指導 1
「新しい生徒指導の先生来るってね」
「へぇ、こんな時期に珍しいね」
とある地方都市の女子校。
今朝の話題はその話で持ち切りだった。
「前の先生は何日持ったっけ、茉里奈?」
「3日だっけ?愛瞳」
「梨奈が骨抜きにしたんだよねぇ」
そんな話を繰り広げる女子生徒、長岡茉里奈・新沢愛瞳・浅間梨奈。
「また最短記録更新しようか、凪」
3人から声をかけられた少女…根来凪は神妙な顔をする。
「どうかなぁ、なんか変な予感がするんだよね…」
凪は窓の外を見つめながら朝のチャイム、そして担任がやってくるのを待つ。
…その頃、教員ルームでは。
スーツ姿の大柄な男の前に下着姿の女性が3人跪いていた。
彼こそが新任、そして新しい生徒指導の教師。
「何者なの、彼は…」
凪たちのクラス担任、杉澤杏璃はその後ろ姿を見て震えていた。
後輩教師の窪田ゆりか、安川瞳、早川アヤの3人が彼に熱い視線を向けていた。
「はぁあっ、素晴らしいですわ…」
「ああ、もう我慢できませぇん」
3人とも彼が部屋に現れた瞬間、いきなり服を脱ぎだし近寄ってきたのだ。
新・生徒指導担当、丸山大五郎。
学生時代ラグビーに打ち込み鍛え上げた逞しい肉体を誇る。
そして自分に関わった女すべてを虜にするという力も持っているのだ。
彼は本来女子校に適任の人材ではなかったが、面談を担当した熟女の幹部は彼のフェロモンの虜となり、採用を決断してしまう。
ラグビーに入れ込んでいた頃から、食堂のおばさんや怪我で入院した際は婦長に特別扱いされていた。
そんな積み重ねで彼は自分の能力を悟る。むしろ、それ以外は鍛え上げた肉体と強い精力しか持ち合わせていない。ラグビーで目が出ないのも、当然だった。
なので、彼自身は車もミッション車しか動かせないほどのアナログ派な上に、21世紀に通用する男女観や教育論も持ち合わせていないぐらいだから、普通の公立で試験や面接が同性ならまず採用されていなかっただろう。
性欲がピークの年齢の教員や生徒の母親はあっさりと言いなりになってしまい、体操服はブルマを復活させるという決定がなされる。
古参の教員が彼の言いなりなので、大学まで女子校で世間知らずな若手教員も生徒指導担当についてすべて任せる方向でまとまっていた。
…チャイムが鳴った後も一向に担任が来る気配がない。
「先生遅いねぇ」
「会議とかかな、それにしては時間かかってるね」
「もしかしたら新しい生徒指導食べちゃってたり」
「それはさすがにないわー」
教室ではあらぬ憶測も飛ぶ。しかしそれも明らかな冗談で、みな笑顔だ。
しかし凪はそれにも嫌な予感がしてならない。
「様子見に行ってみる?」
そう声をかけたのは永江里菜と犬養実乃梨の2人だ。