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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 619

優奈は警備局の一角で過去を振り返っていたが、目の前のPC画面へと目を移した。
「面倒だから単刀直入に言うけど…今の香港は五年前以上に危険よ。」
「ああっ!?またトカゲのバケモンでも現れんのか?」
「あの頃はただ、強大な敵がいただけだけど、今は水面下で幾つもの勢力がひしめき合ってるのよ…」
そう言うと優奈は三人にPC画面を見せた。
「おいおい……こりゃ何の冗談だ?」
 刹那がやや呆然としたような声で呟く、凡そ普段のこの男の様子からは想像もつかない事だが画面上に示されたものはそれだけの威力を持っていた。
「俺も多いだろうと予想はしていたがまさかこれ程だったとは……」
 理人も呆然と画面上の文字群を眺めている。
「主立った組織や名家だけじゃなく弱小と思しき勢力までが入り乱れている混沌とした状況ね」
 優奈は三人に向き直りさらに続ける。
「今は互いに牽制し合って動けないようだけど何かしら切っ掛けがあれば大乱が起きるのは間違ないわね、それに此処に上げてある名前以外にも個人で動いている者やこちらに悟られない程上手く隠れている組織が有ると考えればそれこそ世界を揺るがすような事態になってもおかしくないわ」
「特に教頭派、教会、二年の自警団、そして名家とその眷属の数値は異常だぜ?」
「ここに書いてないが俺としては1-Eも警戒した方がいいだろう…」
「わたくしは軍隊や組織上がりの生徒や教師も危ないと思いますわ。」
「なぁ、俺は入ってないよな?」
「あら、被害妄想?」
「う…」
「後はなぁ、個人だとクラス浪人共もレベルが高ぇ…」
三人が言う事を逐一、打ち込む優奈。
「そういえば新しく1-Aに入ったとかいうクラス浪人の二人は大丈夫なんですの?」
「ああ、黒禍紫怨と白月美幸の事? あの二人なら理人に頼まれて事前に調べたけど何も無かったわよ」
 実はこの二人こそまさに先程優奈が言っていた『こちらに悟られない程上手く隠れている組織』の走狗なのだがその様な事は知る由も無い。

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