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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 103

生徒達が黙り込むのを見た理人は立ち上がりながらこう締めくくった。
「そんなに気に病む事じゃないさ……とは言え、やって見ないと解らない部分も多いしな……この先は教師は関われん。後は刀機にまかせるぞ」
そう言い終わると、理人は刀機の頭をポンと叩き部屋から出て行ったのだ。

「さて……実際の戦闘に関するミーティングに入る」
刀機が耳の上にボールペンを挟み、書類を持ちながら立ち上がる。
ちょっとしたそんな仕草も刀機がやると可愛らしすぎで、そんな可愛らしさを光樹だけでなくクラスの男女共に好かれ、すっかりクラスのアイドル的存在となってきている。
勿論、強力なリーダーシップが皆を惹きつけてる部分も大きいのもあり、皆真剣な表情で刀機の言葉を聴き入っている。
「まず、キャプテンは私が務める訳だが……マネージャーには、天川小路未来、菜乃花皐月、栗原華奈美を指名したい」
これには皆依存無く頷く。
「うむ、異論はないようだな……では初戦の相手B組について説明する」
刀機は周囲を見渡しながら言った。
B組と聞き、顔を強ばらせる光樹……あの時の事が脳裏をよぎる。


身体も小刻みに震え、顔面も蒼白となっていく……そんな光樹の様子に気付いたのは、隣に座る未来だった。

未来にとってもあの事件のショックは大きかった。平然と振る舞っているが、未来も普通の少女である……あの晩はベットの中で一晩中泣いていた。
おろち達に対しては殺意を抱く程までに憎悪を感じているし、この対抗戦で復讐したい。だが、自分自身で戦えない事が何よりもどかしかった。
そんな思いを持ちながら未来は光樹を見る。以前から未来は光樹にそれなりの好意は持っていたし、今回の件で恨む気も毛頭無い。
むしろ以前と比べると、強い好意を持つようにさえなっていた。それは、あんな形であれ抱かれたからかもしれない……光樹の事を考えると、身体は火照り、秘部が潤うのを感じる。そして何より、光樹の男根を受け入れたいと強く思ってしまうのだ。
光樹の精神的な弱さも、今では自分が何とかしてあげたいとすら思っていた。

未来はそっと光樹の震える手に自分の手を重ねる。
びっくりしたように光樹が未来を見るが、未来は優しいながらも、強い意志のこもった目で光樹を見返した。


──…そうだ、怖いのは僕だけじゃないんだ…未来ちゃんだって傷ついてるのに…僕は…──

昨夜影汰と理人の所へ赴き、心を強くしようと思っていたのに、B組と聞いただけで身体から沸き起こる恐怖と自己嫌悪を諭すような未来の瞳に光樹は少し自分を取り戻し「ありがとう」と言って微笑んだ。
…まだ理人から言われた『自分が守るもの』はわからないが、出来るだけのことはやろうと、引き締めた顔で刀機の話に耳を傾けた。

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