復讐セッ○ス〜いじめっ子女子を堕とせ! 54
「男子はカメラ類持ち込み禁止とか地獄だぜ〜?」
「心のフォルダに納めとけ変態紳士。」
女子体操服は自由度が高くスパッツに短パン、懐かしのブルマまでバラエティに富んでおり、見物するだけなら男子の数少ない楽しみだ。
アキラも決して悪い奴ではない、故に薫の性犯罪としか呼べぬ復讐に関与させる気は全くない。
バカでスケベで痛い奴だが卒業まで童貞のようなら、使い古しの一人ぐらい回してやろうと考えていた。
「そういや今回三年で一組だけ男女混成チームがあるって…い〜なぁ〜?」
「お前ああなりたいのか?」
薫の指差す先、明菜が率いる弱小チームに組まれた当の三年男子が股間を押さえて蹲っていた。
椎葉明菜が運んでいた旗竿が『偶然』金的に入ったのだ、しかも緩やかに重い一撃。
明菜の必死な謝罪は出会い頭の事故というアピール、そして遠回しな恫喝にも見えた。
寧ろ被害者側の小柄な男子が狼に睨まれた仔山羊の様に脅えている。
駆け付けた年配の皺クチャ保健医は『緊急だから』の一声で野次馬サービスとばかり彼の下半身を晒す。
黄色い悲鳴に紛れ、変態!包茎!キモイ!などと罵声が飛んだ。
保健医は公開処刑の様な診察を『取り敢えず潰れてない』と雑に切り上げ(流石に責任問題は怖いらしく)病院に行かせて丸投げ。
明菜チームには控えがいるので頭数の問題はなく、今回唯一の男女混成チームが消えた、いや最初からなかったのだ。
薫達の近くでブタ顔とサル顔の醜悪ギャルが被害者を罵倒、それにアキラが舌打ちしていたがどうでもいい。
あれは椎葉明菜から『次はお前だ』という示威行動の類と薫は受け取っていた。
いいだろう、受けて立とう。
陽子に根回しした弱小チームへの組み込み、生真面目な明菜を疲弊させる策、そもそも試合が学年別なので直接対決もない。
「でも椎葉さん綺麗だな…どんなフラグでデレるんだろ?」
アキラの妄言に薫は薬と洗脳と謀略の結論を出す。
「A72普段はパッド二枚、体操服だと一枚に減らす辺り慎ましい。」
明菜と微乳仲間の歩美から聞いた内容と同じ、薫はアキラの透視に驚愕した。
「前髪ぱっつんポニテ、スパッツの中でアンダーもしっとり艶やか。」
こんな(性的に)Lv5絶対仲間にしないと考えた矢先、どこぞの盗撮容疑やらでアキラ(本名は忘れた)が警官に連れて行かれた。
そして見なかった事にしよう『元』知人の同級生にアキラ(本名あるの?)なんて居なかったんだと。
さあ開会式だ(棒読)。
9.
脂ぎった校長と暑苦しい体育教師の演説が終わるなり、薫の陥落せんとする難攻不落の要塞が如き生徒会長、春日野沙織が壇上に上がる。
「ご機嫌よう。」
まるで昭和の少女マンガよろしく冗談みたいな挨拶から始まる演説に、敵である筈の俺でさえ聞き入ってしまった。
既に声紋のレベルでリーダーとしての資質を持った著名人の話題が深夜番組で持ち上げられた事がある、きっと彼女もそうした部類なのだろう。
更にその話術、白人極右翼の流儀の合理性にかぶれた結果が全ての結果論をメインで推しながら、時折フォローするように努力や過程の重要性を説く。
イジメという洗脳に屈する事なく反旗を翻した俺には理解出来た、コイツは女の姿を借りて全世界を支配せんとする魔王だと。
そして試合が始まる。
試合、そうだ普通に試合もあるんだ忘れていた、よりによって一戦目は表向き沙織派閥の若松摩耶。
俺や葵と同じく二年生、しかも手加減無しに当たって来るように命令してあった。
「いっ…てぇえええ…?」
摩耶はデブとポッチャリの紙一重ながら瞬発的な馬力だけはある。
俺がスパイクをブロックし損ねた右手親指の痺れに軽く涙目で蹲った所へ摩耶が駆け寄る、不味い。
「ごしゅ…高岡くん!大丈夫っ?」
「演技しろ。」
俺は痛みを堪え手短に耳元で囁くと、摩耶は瞬時に把握して怒りの顔色を作る。
古典で習った勧進帳、主人の正体を隠す為に家来が暴挙に出る話と似た状況だ。
「良く聞こえなかったけど…今デブって言わなかったかな…高岡くぅ〜ん?」
そう、この学園で皆の知る『普通』の流れだ。