白百合高校剣道部 2
剣道部が実は、校内屈指の痴女の集まりだとも知らずに―
* * *
正式に入部してから数日が過ぎた…。
どうやら新入生で男子は僕だけらしい。他に女子が2、3人。
しかも僕は唯一男子部員。はぁ…大丈夫かな…。
新入生はみんな初心者なので、しばらくは防具を着けずに外で素振りとか基本的なことを教えられる。
「健太、右手がガチガチだよ。もっと力を抜かなきゃ」
「は、はい…」
みなみ先輩は入部してからも優しく接してくれている。
「健太」
「はい?」
みなみ先輩が耳打ちする。
「練習が終わったら武道場裏に誰にも言わずに一人で来なさい。話があるの」
「え…」
みなみ先輩はそう言ったきり、練習中は話をしてくれなかった。
そして練習後。僕はみなみ先輩のいう通り武道場裏にいた。
「ちゃんと一人で待ってたわね?」
「みなみ先輩…?」
みなみ先輩の方は一人ではなかった。
一緒にいたのは2年の渡部麻友先輩と柏由紀先輩。
「さあ、こっちに来なさい。うるさくすると…わかってるわね?」
そう言う麻友先輩、もといまゆゆ先輩の手には竹刀が握られている。
無意識に足が震えていた…。何か悪いことをしただろうか…?一方でまゆゆ先輩はある種邪悪な笑みを浮かべていた。
それは他の2人も― ゆきりん先輩とみなみ先輩も同じだった…。
「こっちよ。」
みなみ先輩が最初に会った時と同じように手を引く。
その先は武道場…ではなくその先にある女子トイレだった…。