「だ…誰か…来たよ…」
私はオドオドと恭を見上げた。
「あっ…ああ…」
キョトンとした瞳の恭。
そして…。
〈お〜い！恭！生きてるかぁ！〉
ゲッ！？この声は！！
聞き覚えのある声がインターホンから流れてきた。
野々村悠祐（ののむら　ゆうすけ）だ。

しかも優衣の友達で悠祐の彼女でもある西嶋愛海（にしじま　まなみ）も一緒だ。

うわータイミングわりぃー…

悠祐のやろぉ…

「きょ…恭…恭ってば」
私は“あちゃ〜”って感じの顔で玄関の方を見ている恭のホッペをツンツン。
「な…なに？」
恭があたふたと私の方を見つめた。
「で…出てあげないと…」
私はのしかかっていた恭の腕の中から抜け出すと…乱れいた制服を直しだす。
「参った…ね」
恭は気まずそうに微笑みとソファーから立ち上がった。


「きょ…恭…私は？」
制服を整えた私も慌てて立ち上がった。
ここままだと…私達の事バレちゃうし。
「ん〜とりあえず、此処に入っていて」
恭は私を部屋の一つに押し込んだ。
えっ！？
この部屋は…。
筋トレのマシーンに鉄アレイ。
うわっ！壁にはジャック・バウアーが銃を構えたポスター。
およ！館ひ○しと柴○恭平…あぶない刑事〈デカ〉のポスターもある。
恭ってば…結構男っぽい。
…………？
恭の部屋？だよね？
なんか…かかってる服は叶那さんのぽいけど…。
私は妙に男っぽい部屋をキョロキョロ。
何となく部屋の香りはさっきの叶那の香りなんだよね。
私がきょどっているとメールが来た。
恭からだ。
“姉貴の部屋で暫く大人しくしていて”
えぇ〜ぇ！この部屋…叶那さんの部屋！？