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陣陽学園〜Fight School〜
官能リレー小説 - 学園物

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陣陽学園〜Fight School〜 9

大人のオモチャが肛門を狙っている、暴力を通り越した危機に出流は泣き叫んでいた『誰か助けて!』と。

鼓膜が破れそうな嘲笑と涙に歪む視界の向こう、紺色セーラー服姿、左に木刀を提げた『彼女と良く似た』人影。

「あの利き腕封印ギプス?犬の仮出所って奴だよね?」
「残念!ナイト様は雑魚キャラでした!」
「秒殺で犬戻りっしょ?わんわんおワロス!」

右腕を三角布に似たギプスで固められた犬仮出所とやら長身の女生徒が、手持ち無沙汰で軽口を叩いていたバットガールズ三人を瞬時に叩き伏せた。

左の片手打ちのみ『彼女と良く似た』太刀筋に加えて体当たり頭突き噛み付きまでも交える獣人娘が性悪娘を駆逐してゆく。

出流は『彼女と良く似た』誰かに涙ながら絶望的に感謝した。

かつての同級生、三船椿と良く似た誰かに。

フルチンのまま意識が暗転する出流の表情は安堵を見せていた。

それをどことなく優しい表情で見下ろしていた彼女に、純華が紫煙を旨そうに吐き出しながら語りかける。

「お早いお帰りだね、椿」

椿と呼ばれたボーイッシュな美少女は、純華に対して満面の笑みで返す。

犬やら奴隷やら劣等やら・・・

今の彼女の表情からはそんなものは感じられない。

「なんか、仮出所祝いで遅くなったけど・・・結果オーライって奴かな?」

おどけてぺろっと舌を出した椿と言う美少女は、短いスカートをまくり上げてみせる。

ノーパンのそこは恥毛が綺麗に剃られ、いくつものピアスで飾られていた。

ピアスで飾られた割れ目を指で開くと、淫らな汁と共にドロリとした精液が溢れ出てくる。

それを見て純華は笑みを浮かべる。

「ああ全く、あの犯されて啼くだけの牝犬が猟犬になって帰ってきたな」

「うん、セックスっていいね!・・・チ○コが宝物に見えるし!」

彼女の笑顔は狩られる者でなく狩る者のものだった。


そして可愛らしい仕草で木刀を血塗れの口元で『はむっ』とくわえ、自由な左手でバットガールズ達の制服から校章を無造作に引き千切り腰のポウチに放り込んでゆく。
勿論、犬リーチであったツインテでニーソのカナミックスなるギャルの校章も含めて容赦なく頂戴する。

「あと何個?」
「たくさん!」

仮出所者にはバットガールズを始めとした小悪党退治の任が強いられている。
校則の隙間を突き初等科のグレーゾーンに居座り続け、甘い汁を吸う小悪党集団の存在から弱者を守る地道な任務。

鉄斎は説明不要の剛力、彦一は瞬速の左ジャブ、蛆虫の群から身を守る技があった。
そして何より正気を失う前に正規の生徒に戻る幸運があった。

しかしこの三船椿は、間に合わなかったのだ。

男女の壁を越えた竹馬の友を思い出せない程に壊れていた。


しかし、壊れたのは人間の尊厳や貞操だけではない。

彼女自身が決して破れなかった殻を粉々に砕いたのだ。

上辺だけの美少女剣士だった以前と比べるのが失礼なぐらい屈強な美獣剣士となっていた。

一度粉々に砕かれ壊れ、再構築された者は鋼のように強靭な戦士となる。

それは、純華も通って来た道だ。

猛禽の如き強さを得た椿を純華は微笑みながら見ていた。

その美獣は、純華よりも別のものに興味津々である。

それは勿論、出流の股間だ。

「ああ、駄目だぞ・・・まだ童貞なんだから喰ったりしちゃぁ・・・」

「えーっ・・・舐めるだけでも駄目?・・・」

物欲しそうな表情で言う椿に純華は首を横に振る。

「駄目っ!」

お預けを食らった犬のような表情で椿が純華を見るが、純華は取り合わない。

「よしっ!じゃあ代わりに弱い子いじめる悪い子たくさんやっつけるの!ファッ○の次に最高なの!」

かつては友と語らった武術で身を立てる誓い、それだけが椿を人間たらしめるキーワード。
ノルマをこなしギプスを外す時は近いだろう、人を越え獣を越えた剣を振るう時もまた近いのだろう。

しかしその焦点の合わぬ瞳に正気が戻る日は何時なのか、いや果たして戻って良いものか。
出流でさえ『良く似た誰か』と現実逃避していた白痴の剣豪少女、三船椿は山吹純華に『またね』と叫び何処へともなく去ってゆく。

さながら荒野の用心棒、人の姿を借りながら、犬と代わらぬ無宿人。

雑兵狩りのドブ浚い、校章ひとつが今日の飯、ふたつみっつで一汁一菜付けばいい。

明日迎える宿あれば、誰とも聞かず股開け。

明後日、そんな先の事は、わからない。

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