PiPi's World 投稿小説

陣陽学園〜Fight School〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 78
 80
の最後へ

陣陽学園〜Fight School〜 80

更に出流はとある一点を指さす。

「君、お昼ニラレバ炒めだよね・・・駄目だよ、臭い残ってるじゃん」

今度も空気が震える。

明らかに動揺した震えだ。

「素晴らしいね、君は・・・」

破顔した優雅が指を鳴らす。

「下がりなさい」

動揺していた空気が落ち着き、どこからともなく声が漏れる。

「面目次第も・・・」

「小娘と思い侮っておりました・・・」

「いかようなる罰も・・・」

謝罪の言葉を手で優雅は遮る。

「相手が優れていた、それだけだ・・・精進なさい」

ある種嫌味な言葉だが、彼には嫌味を感じさせないものがあった。

気配が消えていくのを感じながら、出流は感心しつつも彼の目に見えぬ凄さに背筋が寒くなるのを感じていた。

「すまないね、試すような真似をして」

「いえ、本題をお願いします」

単刀直入勝負に入る。

それでも彼は微笑んだままだった。

「そう言う所は嫌いじゃない・・・君の姉のようだ」

出流は姉の名を出されても驚きはしなかった。

むしろ予想通りと言った所だ。

「私は、君と交渉に来たのだよ」

「交渉ですか?」

少し意外だった。

バックの力を使い強引に話を進めてくる可能性を考えていたからだ。

「ああ、交渉だ・・・私は君を手に入れたい」

これも以外だったが、こう言われる可能性はあった。

だがむしろ、姉の事絡みだと言うのだと大半思っていた。

「交渉と言うことは・・・こちらから条件を出してもいいって事ですよね?」

「勿論だ・・・私にできる事なら聞こう」

正直、条件が良すぎる。

何としてでも欲しい理由があるのか・・・

それは姉絡みなのか・・・

出流もよく分からない。

しかし、チャンスなのは確かだった。

それを活かすも殺すも、出流自身だろう。

「では・・・」

覚悟を決め出流は語りだす。

それを鳳優雅は微笑みながら聞いたのだった。


・・・期限の刻日

窓際で煙草を蒸す純華の元に彦一が近寄る。

「お嬢・・・行ってきましたぜ」

「ああ・・・どうだった?」

結果が分かってるような表情で、純華は煙草を指で挟んで口から抜く。

「三船椿、受け入れて貰いやした・・・それとコイツを預かってます」

彦一が差し出したのは、手紙と小切手。

小切手には額面が記されてなかった。

「いくらでも書いて結構だとさ・・・まぁ剛毅な人だ」

呆れ顔の彦一に、純華は紫煙を吐きながらニヤリと笑う。

「嫌なヤツだな、全く!・・・書く額面でこっちの器量図ろうってか!!」


面白がってる風もある表情。

その表情のまま手紙を読むと、更に機嫌の良い表情になった。

「出流・・・帰ってこないってよ」

何か喜んでる節もある。

「じゃあ、ビンゴでしたな、お嬢」

彦一もそれがどういう事か理解してるのだろう。

そんな二人だけが理解できる会話をしていると、ガラリと扉が開き、鉄斎が入ってくる。

後に紺のセーラー服の3人の少女を連れてだった。

「引き受けてきましたぜ」

「ああ、ご苦労さん」

そして少女達に微笑みかけ言う。

「空波アキ、扇谷真也、幕辺白磁・・・ようこそ山吹組へ!」
迎えられた真也が口を尖らせる。

「全部知ってるんだな・・・出流がいない事も」

憤りをそのままストレートに出す真也を白服3人が優しい目で見る。

侠気のあるいい表情だ。

実力云々でなく、こう言う心意気がいい。

「受け入れて頂き、有難うございます・・・」

白磁が礼儀正しく・・・

だが馴れ合わないぞと言った視線を送るのを見て、3人共好印象を持った。

別に人質じゃないから、これぐらいでいい。

だが、3人もアキの言葉を聞いて面食らった。

「出流が言ってたけど・・・ここで天下取っていいの?・・・」

声は大きくなく表情も暗いが、感じられる強い意思・・・

「こいつはおもしれぇ・・・」

「全く、出流もいいヒロイモノよこしたな」

彦一と鉄斎が笑う。

これはいい拾い物かもしれないと・・・

「ああ、取ってみな!・・・くくっ、一戦前にして、面白くなってきたな!」

思わぬ戦力アップに、純華は大きく笑ったのだった。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す