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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 74

「と、言うのは冗談でと。」理人はリミッターをかけてからそう言った。
「ここで俺らが争って、喜ぶのは生徒会だ。偽才英もどっか行ったし。あいつらに喜ばれるのは、嫌な気分になるのは間違いねぇからなぁ。」
「なかなか見事な演技だったな。」刀機は再びカナンのひざに頭を置いていた。
「お互い様さ。」理人はそう言って、飛び降りて行った。
「良いのですか?」カナンは刀機に尋ねる。
理人を行かせたことが不可解なのだ。
「立花理人の家系はな、元々、『橘』と名乗っていたんだ。祖となった、初代理人は龍神の化身とまで謳われた。それ以来橘家は龍の家系といわれている。ところが、初代理人は権力争いを嫌い、名を『立花』と変えて姿を消したそうだ。」
「では、今の理人は」
「そう、確か29代目だ。」
その頃、理人は祖父で学園の教師でもある立花龍翁のところに行っていた。
「公主と戦ったそうじゃな。なんでも、こっぴどくやられたそうじゃないか。」龍翁はその白くなった顎髭をさわりながら理人の方を向く。
「ああ、だから鍛え直したいんだ。」
「まぁ、座れ。理人、お前は初代様の事は知っとるな?」理人を座らせながら尋ねる。
「こっちに来た時に一番最初に聞いたよ。」
「うむ、初代様はお亡くなりになる前に、一つの遺言を残しておられる。その遺言とは、初代様を超える力を持つであろう赤子には理人の名を付けよ。じゃ。」
「はぁ?俺が初代様を超える者?よしてくれ、公主にこっぴどくやられたんだぜ。」理人は信じていない顔を祖父に向ける。
「そりゃそうじゃな、お主はまだその秘めたる力を一割も出しておらんからな。儂はな、お主が生まれた時、直感的に感じたんじゃ。お主は初代様を超える者だと。」
「じゃあ、俺はもっと強くなれるかな?」
「お主が初代様を超えれば、公主や刀機とも互角以上で戦えるはずじゃ。その為には、儂が稽古をつけてやる。ビシビシいくからな。」
「でも、いいのか?教師だろ?」
「構わん。どうせ、老い先短いからの」
「ならその老い先短い命、ここで散らせやジジィ」
刹那が現れ呟いた。
「貴様…」
「遅ぇ」
二人が身構えるよりも速く刹那の一撃が理人を襲った。
「ぐっ……」
なんとか防ぐが体勢が崩れる。
「強い…この前より強くなっている」
「カハハハハハッ!!喰ったからなぁ『イロイロ』とな」
舌なめずりをしながら言い放った。
「だがまだまだ足りねぇ…『橘』の血を喰らわしてもらいてぇなぁ…」
そう言うと手についた理人の血を舐めた。

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