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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 60

「風紀委員102名のうちの48名、美化委員54名のうちの26名、そして革命軍49名、御堂の舎弟10名・・・それが俺達の持っている戦力の全てだ・・・それに俺達に賛同する生徒は1割ぐらいはいるだろう」
全校生徒3千人の巨大な学園の1割は300人・・・しかし、委員長と言え半分しか仲間にできず、革命軍も多くはない。8割近くが主姫を支持し、特に教師の支持は絶対的にある。
しかも戦闘部隊の大半は主姫に付いているし、生徒会本体と総務委員の切り崩しは出来なかったのだ。
そして、能力者の質も量も主姫を除いても圧倒的不利な状況は変わっていない。

『やなく』に協力を求める
この圧倒的不利な状況を打破するにはそれしかない
しかしこれは賭けだ
もし失敗でもしたら、やなくが公主側に付いたら
数々の不安が頭をよぎる
「…やなくに会いに行く」
才英が覚悟を決めた。


・・・その頃、体育教官室。
当のやなくは涜狸、文冶、勘太郎、巴と共にいた。
向かい合っていたのは誠一と奈々子、絵里子、夜栄・・・そしてこの部屋の主、女性体育教師『張云(チャン・ユン)』
それと誠一をここに連れてきた御堂凛(張云の弟子であったので)の11人が集まっていた。
「君もクーデターするかい?」
まるで子供のお使いのような言い方で軽く言うやなく。
「今の所その気ないね・・・主姫を糾弾できるほど聖人君子でもないし・・・で、君は?」
「僕も姫ちゃんと喧嘩する気はないよ・・・眺めている方が楽しいからね」
やなくはにこにこと掴み所が無い笑顔を誠一に向ける。
「じゃあ聞きたいけど・・・何の為に僕を助けた?」
「んーっ・・・その方が面白いし、恩義に感じて仲間になってくれると嬉しいしね」
やなくのその言葉に絵里子が口を開く。
「生徒会、反学園派・・・どっちにも付く気がないのに、仲間を集めるのは何が目的なの?」
「んとね・・・僕はどっちにも付く気はないのは確か・・・どっちにも属さない勢力を作りたいのが目的かな」

「だがなぜ公主や革命軍に付こうとしない、お前ほどの力があればどっちについても結構な扱いをしてもらえるだろう?」
「ハハッ…『力』か」
やなくが自嘲的に笑った。
「誠一、なぜ俺と姫ちゃんは気が合ったと思う?」
「なぜって…どっちもSSランクの能力者だったからじゃないのか」
「まぁそれもあるだろうがもう一つ理由がある」
「もう一つの理由?」
誠一達が声を合わせた。
「同じだったからだよ、能力者になった理由が」
そう言うと深くため息をついた。

「強い生命の危機による自己防衛本能」
ボソリと呟いた。
「生命の危機?」
「親からの虐待…俺達二人はそうして能力者になった」
拳を強く握り締めた。
「だから姫ちゃんと事を構えたくはあまりなかったんだよなぁ…でも姫ちゃんはやり過ぎだ、なんとかしなきゃぁならない」
いつもの調子でだが強く言った。
「だが革命軍は『力』で押さえつけようとしている、なにも知らない、なにも知ろうともしない奴等が」

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