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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 53

と、その時
「あー、あー、テステスはぁ〜いみんな、DJやなくだよぅYOROSIKU!!」
そんな放送が耳に届いた。
「なんじゃこりゃ」
才英が呆れたように呟いた。
「なにが?」
「なにがってこの放送が聞こえないのか?」
首を横に振る。
周りを見渡しても誰一人気付いた様子がない。
「才英君、えー、最近二人の美女と付き合っている才英君、ついでにその二人を喰っちゃった才英君、至急図書室に集合して下さい」
「余計なお世話じゃ!!」
思わず叫んでしまった。
周りから見ればいきなり叫んだ青年としか写らないだろう、正直視線が痛い。
「なんだ…今の放送はよ」
要が自販機の前で脱力した感じに言った。
てゆーか最近力を入れるのがダルい感じなのだ。
だから先ほどの放送で聞こえた、図書室にもあんまり行く気はしなかった。
一方、放送室では上機嫌のやなくと無表情の涜狸・・・そして久しぶりに男に戻った誠一がいた。
まぁ、誠一は男の姿に戻り、男の制服を着ても『男装した美少女』に見えてしまうのが辛い所だ。
こちらはこちらで宝塚の男役みたいだと女子の人気が高い(男子も異性として見ているので、勿論高かったりするのだが・・・)
「あまり派手にやると・・・主姫にしっぺ返し食らうぞ」
少し声を低くしてそう言う誠一だが、可愛らしい声なので、目的を達してるとは言いがたい。
「姫ちゃんと喧嘩はいやだなぁ・・・涜狸と二人掛りでも勝てる保証ないもんなぁ〜・・・」
口ではそう言うが全く悪びれる様子の無いやなく。
誠一もやなくも涜狸も、主姫の能力が『魔眼』一つでない事は知っていたが、能力の全貌までは知らない。
本気の主姫を相手にするならば、この学園のS級能力者全員で戦えば、チョモランマを何の装備も無しに逆立ちで登る程度の難易度になるだろう。
それだけに、あっさりと誠一を解放したのが余計に不気味であった。

考え込んでも始まらないので誠一は図書室に向かうことにした。
やなくと涜狸は図書室に行く途中で立ち止まり、誠一に向かってにやりと笑いかけた。
「じゃあ、マコちゃん・・・ボクらはここでさよならだよんっ」
そう言うと、すたすたと反対方向に消えていったのだ。
「分からないヤツだなぁ・・・」
彼も目的が分からない・・・いや目的なんて無いのかもしれないが、誠一はそれ以上考えるのを止めて図書室に向かったのだ。

図書室に行くと、六錠要、吉良奈々子、新谷絵里子・・・誠一の親友達。
従姉妹である雨宮夜栄・・・そして北川才英と才英にぴったりとくっ付く桐生悠里と久遠眞澄・・・
やなくが呼びつけたメンバー全員が揃っていた。
「ようっ!・・・心配かけたね」
あえて軽く挨拶する誠一に、奈々子は目を潤ませ、要と絵里子は笑顔で、男の姿の夜栄は少し複雑な表情で、才英は誠一が『男装』してることに驚きながら迎えたのだ。

「マコちゃんっ!・・・心配してたでぇっ!」
誠一に抱きつく奈々子・・・大柄な奈々子に抱きすくめられながらも、誠一は優しく奈々子の頭を撫でた。
「ごめんな奈々子・・・それと絵里子に聞きたいことがあるんだ・・・」
一転して真剣な表情で絵里子を見る誠一。
「もしかして・・・今学園で起こっている騒ぎの事?」
「うん、そうだよ・・・」
少し考え込む仕草をする絵里子・・・巨乳は馬鹿が多いとよく陰口を叩かれるが彼女に関しては当てはまらない。
冷静かつ聡明・・・大きな乳房にも脳が詰まってるのかと思わせるような智謀、その瞳は全てのことが見えているのかと思わせるほどの洞察力・・・彼女の能力以上に、彼女の才知は『策士』として名高かったぐらいだ。
もし、世が世なら歴史上に残る軍師になってたかもしれない。
「本当は首突っ込む事を避けるべきって言いたい所だけど・・・マコちゃんの頼みならパフェとデートで手を打つわよ」
「んーっ・・・突っ込むかどうかは別として・・・これからの予測できる状況を知りたいな」

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