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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 32

そして、こちらは仕掛けようとする勇牙達・・・その地面の周囲が動き出し、土が人型になっていく。
その数、数十体・・・包囲するように現れたのだ。
「なんやこれっ!・・・こんなもん、ぶった切ってやるわっ!」
凛がまず飛び掛り、炎に包まれた方天画戟で斬り付ける。
ザシュ!っと簡単に上下真っ二つになる土人形。
「なんや、簡単やんか・・・って?!・・・」
凛の言葉が終わる前に土人形が元通りの人形に戻ったのだ。
「くっ!・・・花藤冬真だなっ!」
勇牙も土人形を燃やし尽くすが、土なのですぐに復活する。
「ぐあっ!・・・」
勇牙の子分の一人が土人形の腕の一撃で吹き飛ばされた。
その土人形の腕の先は凍り付き、凶悪な凶器と化していたのである。

「くっ!・・・やっぱキツイぜっ!・・・」
「なら、さっさと投降すれば?・・・相手の目的は貴方じゃないし」
まだ若干余裕を残す、御堂勇牙と今泉碧がにやりと笑いながら会話する。
もう残っているのは、今泉茜、御堂凛、倉崎巧馬、市川定春の合計6人、後は土人形にやられ捕らえられてしまったのだ。
しかも勇牙と碧以外は、土人形の波状攻撃で体力を大きく消耗していたのである。
「あらっ?、風紀委員の包囲網もだいぶ迫ってきたわね」
「ああ、そーだな・・・で、お前等はどうするんだ?」
勇牙は碧に答えると、消耗しきっている茜達を見た。
「私、投降しても仕方ないし・・・」
「勇さん残して降りれる訳ないじゃないすか」
「最後まで付き合いますよぉー」
「ウチも、まだシバキたらへんわ・・・」
口々に徹底抗戦を宣言する4人だが、その言葉には力は無かった。

そして勇牙は息を大きく吸い、意を決したように、言った。
「仕方が…無いな…お前等全員、ひとまず退却しろ。ここは…俺が何とかしよう」
「何言ってんですか!勇さん一人で何とかなる数じゃないでしょうに」その言葉に巧馬が噛みつく。そして「全くその通りね。あなた、死にたいの?」
朔美が現れた。
「円城寺…」
最悪の状況だなと巧馬は思った。生徒会はどうあっても、この場で自分達を潰したいらしい。
この山には今、かなりの人数が注がれている。だが、つまり学校はかなり手薄になっているという事でもある。
そしてこちらの最大の利点である、少人数であることを最大に発揮して学校にいったん戻る。生徒会は大人数なので、学校に戻るのに時間がかかる。その間にこちらは手薄になった『学校そのものを人質にする』という考えだった。生徒会は『秩序を守る者』である。人質になった学校を無視は出来ない。何故ならその行為は、秩序を乱す行為だからだ。
だが、ここでやられれば、全て同じか…巧馬は少し悲観的になった。
朔美と対峙し、真剣な表情になる勇牙・・・勇牙にしても朔美とは真剣に相手せねばならない相手なのだ。
しかし、茜の方を見つめていた碧が、その時口を開いたのだ。
「降伏するわ・・・もう勝ち目ないし」
「おいっ!、なに言ってやがるんだっ!」
碧の言葉に驚く勇牙・・・だが、碧は静かに言った。
「もう茜も限界だし・・・それに凛ちゃんだって限界よ・・・もうこれ以上は無理ね」
武器を捨て、朔美の前に投降する碧・・・碧が決断した以上、勇牙も従わざるを得なかった。
こうして裏山の戦いは終わったのだ・・・

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