更紗百人斬り! 2
私は後ろを振り向く。私の後ろの席は倉田君。あまり目立たない、勉強が出来て大人しいコなんだけど……
「ありがとね、倉田君」
私が小声でお礼を言うと、倉田君は恥ずかしそうに俯いた。その仕草は可愛らしく、思わずキュンとなる。
すると、授業の終わりを告げる鐘が鳴り響いた。訪れる開放感。
「今日はここまで。気を付けて帰るように」
センセーの挨拶で、今日の授業は締めくくられた。同時に、私の挑戦の始まりでもある。
決めた。今日の相手は、倉田君。
相手が決まったら、すぐさま行動。私は倉田君に接触を試みる。
「倉田君。一緒に帰らない?」
私は、帰り支度を整えて教室を出ようとする倉田君を呼び止めた。突然の誘いに、倉田君は面食らってるみたい。でも、こーいうタイプは強引に行かなきゃ。
「ね?」
私は目一杯愛を込めた笑顔を作る。造りのよい可憐な表情、甘い言葉を紡ぐ瑞々しくふっくらとした唇。首を傾げた愛らしい仕草、艶やかに輪郭をなぞる茶色がかった黒髪。それら輝きを放つ魅力達が、悪魔の囁きの如く内気な少年の心をくすぐる。
芸がないけど、今までこの手で堕ちなかった男はいない。彼も、例外ではないみたいで……
「あ、と、うん……」
倉田君は消え入りそうな声で肯定の意を示し、俯くように頷いた。
私はもう一度笑顔を作り、倉田君の腕に手を回す。その時に軽くおっぱいを押し当てると、倉田君は耳まで真っ赤になった。
「行こっ♪」
私は半ば硬直した倉田君の腕を引っ張り、教室を後にした。
*
廊下を歩きながら、私はどこで事を致そうか考えていた。パパが出した条件の中には、勝負は校内で行う事、という内容も含まれていたのだ。
(ここは定番でいこっかな?)
私はひとりごちて、作戦を開始する。
「あっ……」
私は額を押さえ、目眩を装い倉田君にもたれかかる。意識して倉田君の胸に自慢のおっぱいを押し付けながら……
「えっ、ちょっ、柏木さんっ?」
倉田君は私を抱き留め、慌てふためいた様子。私は更に演技を続ける。
「ご、ごめん……ちょっと具合が……」
私はか細い声で、体調不良をアピールする。
「だ、大丈夫? ほ、保健室行こう?」
私のベタな演技を疑う事なく、倉田君は私に気遣いの言葉を掛けてくれる。
掛かった、とばかりに私は倉田君に見えないように舌を出し、力なく頷いて見せた。
*
私は倉田君の手で、保健室のベッドに寝かされた。
ベッドはカーテンで仕切られ、周りからは切り離されている。保健のセンセーも留守みたいで、2人きり。事はスムーズに進んだ。
倉田君は、ベッドの脇で椅子に腰掛け、心配そうに私を眺めている。
さぁて、勝負といきますか。
「ねぇ……倉田君」
私は顔を紅潮させて、息を荒げる。呼吸に合わせ、おっぱいが悩ましく上下する。倉田君はなるべくおっぱいから目を逸らしてるみたい。