PiPi's World 投稿小説

痴女の世界
官能リレー小説 - 痴漢/痴女

の最初へ
 5
 7
の最後へ

痴女の世界 7

「いやあ。」
夏帆姉が小さく叫んだ。
初めは、彼女が殺人を犯したのか感じたのかと思ったがそうではなかった。
二人の股間から白いものが滴っていた。
強く打たれた瞬間に射精したものらしい。
夏帆姉は白濁の液を滴らせながら、いやいやと首を振っていた。

僕はタオルを二人にかけると
部屋の奥の椅子に座りながら
一部始終を見ていた男に目を向けた。
僕は刀身を返すと大声で叫んだ。



カベヘダァァァアア


そこで僕の夢は終わった。

7月23日   夜 時間不明。

風鈴の透き通る音が響いた。
すでに夏である。梅雨のじめじめとした、蒸し暑さは和らぎ、涼しい風が網戸の間を抜けていく。
ヒグラシ鳴き声は小さく、夏蟲の静かな声がゆっくりと夕闇から聞こえてくる。
小指をかすかに動かすと、畳の柔らかい感触があった。
比較的新しいものらしく、草の匂いと、緑色の色合いをまだ残している。
小さな発行体がゆっくりと揺らいでいる。
まだ夢の中かとも思ったが、点滅するその姿を見て蛍の光であることを思い出した。

ゆっくりと規則的な風が揺らいでいる。
それに、畳のそれとは違ったとても懐かしい匂いに僕は、深いため息を漏らした。
顔をあげると夏帆姉の顔があった。
その表情はどこか寂しそうにも見えるし、優しい母親のような表情にも思えた。
急に強い風が吹くと、夏帆姉の服が僕の視界を遮った。
さっきまでの迷彩服ではなく、さらさらとした浴衣の感触が僕の顔を包んでいた。
僕は、浴衣の裾をのけると、いままで自分が夏帆姉の膝枕に寄りかかっていたことに初めて気づいた。
顔を真っ赤にして飛び起きると
「ごめ…僕。いや俺。あのまま。」
と先ほど気を失ったことについて謝罪した。
「いいよ。僕で。やっと昔の公一にもどったんだから。本当のあなたに。」
夏帆姉は小さく微笑みながら僕を見た。その表情には、恥辱と深い罪悪感の表情が浮かんでいた。
僕には、その理由が分かる。あの時、射精されてしまったことに対する恥辱と罪悪感だ。
「夏帆姉。夏帆姉は悪くないよ。…悪いのは、全部僕だ。昨日のことも、あの時のことも…全部僕が悪いんだ。」
僕は泣いていた。嗚咽が混じっているため、うまく言葉が出せないでいる。
「はは…。どうしてかな。あの時、どうしようもないくらい絶望したのに、僕自身があんな狂気を自分で解き放とうとしているなんて・…どうかしている。」
まるで、小さな子供が、母親に泣きつくように。…

僕は夏帆姉にしがみついて…泣いた。

夏帆姉は静かにほほ笑んだ。
「ううん。公一が悪いんじゃないさ。壁隔があなたに残した呪い。それがあなたを支配していたのよ。」
夏帆姉の顔に少し色が戻ってきていた。
「呪い?」
僕は夏帆姉に問いかけた。
「SDDプログラム。あれはネットで考察されたような、排卵周期のリズム解析の成果なんかじゃないの。古代から伝わる、呪いの呪術をプログラム化した完全洗脳プログラム。いえ、電子社会に生きるプログラム生命体そのものといっていいわ。かつて呪術で生成する使い魔があったように、呪術を電子社会で応用したもの。それがあなたが、かつてあなたが導き出した、SDDプログラムの正体なのよ。」

「僕が?だって僕は今だってそんな知識も頭脳もないよ。」
僕は反論した。当然だ。普通の同級生に比べてパソコンの知識や裏ネットワーク介入方法を異常に理解している自分ではあったが、当時からそれほどの能力を有していたなんて信じられない。
 「いえ。確かにすべてを解き明かしたのはあなたなのよ。あの男は、かつてあの場所であなたと対峙した。しかしすでにあの男の実態はそこにはなかった。あなたが破壊したのは、壁隔という男のプログラムを垂れ流していたパソコン端末機器だったのよ。」
 衝撃の事実だった。しかし、それと僕の能力といったいなにがつながるのか
「あなたは、パソコンを破壊した後、彼のプログラムに乗っ取られようとしていた。そこであなたは、家伝の禁術に手をだした。自分の中に過度のストレスを加えることで、脳の機能を開放。一時的にIQを300にまで高めて、彼のプログラムワクチンを生成したの。」
夏帆姉はまるで、何も知らない無垢な子供にする「ほら話」のような経緯を真剣な顔で語った。
「IQ300そんな方法が?」
僕は笑えないその経緯に少し腹をたてた。しかしそれは、からかわれている年下の子供が拗ねているような感覚だった。
「そんな裏技使えるわけないじゃないか。また僕を馬鹿にしているんだろ。また、あとで大声で笑うつもりなんだろ?」
しかし夏帆姉は真剣だった。その証拠にその目には涙が浮かんでいた。

SNSでこの小説を紹介

痴漢/痴女の他のリレー小説

こちらから小説を探す