伝説の痴漢男 6
いよいよだ。
ふさがれたカオリの唇が俺の左手のひらに葉を立てるのを感じながら、俺はこいつの勝負下着を後ろからツルリと剥き下ろす。
ゆでたての卵のようにつやつやした尻が、狭間から湯気を上げながら露わになる。
そういえば今朝も朝飯食ってねえな。
ゆで卵なら俺は固ゆでのマヨネーズ派なんだが、今はそんなことはどうだっていい。
ただ、カオリの尻がマヨネーズかけて齧り付きたくなるほどに魅力的だと言いたかっただけだ。
さすが伝説の痴漢。
こんなときでも思考に余裕がある。
いやいや。
そうじゃないだろ。
俺の股間の方は俺の経験上、かつて無いほど余裕が無い。
チョッとこすれただけでも俺の中の将軍様がミサイルの発射を命じてしまいそうな危機的状況だ。
いまさら6カ国会議なんてしてる場合じゃねえ。
なんていう風に思考を逸らさないとヤバイくらいなんだ。
くそ。
俺の伝説はまだこれからのはずだ。
こんな人形みたいにきれいな顔の割りに、あんまり色気の無いボーかロイドじみた声の女なんかに二日間もこだわってる場合じゃないんだ。
い、行くぞ。
「い、い、いいいいれいれ挿れちゃうぞッ」
「う゛ヴ〜〜〜ッ!!」
・・・ぶすり。
俺の暴走寸前まで追い詰められた燃料棒が、女の冷却水に深く沈みこんだ瞬間だった。
それはカオリに対しての昨日の屈辱のリベンジが叶った瞬間だった。
(あたたかい…ぬるぬるして…きゅんきゅんして)
(と、とっても気持ちがいいじゃねえか!)
周りの乗客は男ばかりで見て見ぬふりをしてニヤニヤ笑っていた。
「うっ、うっ。やめてください。どうしてもやりたいなら、電車を降りてから・・。」
カオリは泣きながら俺に頼んでいた。