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お家(いえ)のために
官能リレー小説 - 孕ませ/妊婦

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お家(いえ)のために 1


「おはようございます、坊ちゃま。朝でございますよ」
「う〜ん…おはよう、小夜」
朝、メイドが主人である少年を優しく起こす。
少年の名は中之島 実(なかのしま みのる)。14歳。旧華族の名門・中之島家の第27代目当主。純粋で心の優しい少年である。
メイドの名は薗宮 小夜(そのみや さよ)。24歳。幼い頃に両親を亡くし、中之島家に引き取られて育てられた。自分を拾ってくれた今は亡き先々代当主(実の祖父)に恩義を感じており、その孫である実に誠心誠意お仕えする事が自分に出来る唯一の恩返しだと考えている。

しかし、この朝の光景は根本的におかしかった。まず実が寝ているのはツギハギだらけの煎餅布団、その布団が敷かれているのは色落ちして黄色くなった古い畳の上、そして部屋は築40年のボロアパートの六畳一間の一室…。
そう、中之島家は先代(実の父)が事業に失敗したため、代々受け継がれて来た資産を全て失ってしまったのであった。その先代は妻と共に残った僅かな資金を持って蒸発、実だけが取り残された。
屋敷で働いていた執事やメイド達も皆去って行き、小夜だけが残った。小夜は健気にも自分を拾ってくれた中之島家への恩を忘れず、今まで通りメイドとして実に仕える事を選んだのだ。

「さあ坊ちゃま、お顔を洗って差し上げますわ。どうぞこちらへ…」
「ありがとう、でも自分で洗うからいいよ」
「お顔を洗ったら朝ご飯の準備が出来ております。どうぞお召し上がりくださいませ」
「うん、いただきまぁ〜す」
「ウゥ…坊ちゃま…」
実がご飯を食べる様を見ながら何故か泣き出す小夜。
「ど…どうしたの小夜!?」
「も…申し訳ありません坊ちゃま…本来なら成長期の坊ちゃまにもっと栄養の付く物を食べさせて差し上げたいのですが…メイド喫茶の薄給では玄米とニボシと具の無い味噌汁が限界でございますぅ…ウゥゥ」
「な…何言ってんだよ小夜!?僕、今の生活に全然不満なんて無いよ!むしろ小夜には感謝してるぐらいだよ!待ってて小夜!僕、中学卒業したらう〜んと働いて、贅沢とまではいかないまでも、せめて今より少しは楽な生活させてあげるからさ!」
「グスン…ぼ…坊ちゃまぁ…」
「だからほら、泣かないで…」
小夜がメイドとして実の元に残った理由は、中之島家への恩義もさる事ながら、実が本当に心の優しい少年だったからであった。それに小夜は実を生まれた時から知っているのだ。小夜にとって実は仕えるべき主であると共に可愛い弟のような存在でもあった。
「それじゃあ小夜、僕は学校に行って来るからね」
「行ってらっしゃいませ、坊ちゃま」

実を送り出した後、小夜は部屋の掃除を始めた。ゴミ箱の中のゴミを捨てようとした時である。
「クンクン…気のせいかしら?何かイカみたいな匂いが…」
小夜はゴミ箱の中を漁り出した。なぜゴミ箱の中にイカが…?そう思いながら探っていると、丸められた数個のティッシュが出て来た。イカ臭はこの中からだ。小夜はティッシュを開いてみた。
「こ…これは…!!」
中にあったのはゼリー状の白濁液だった。それが一体何なのかは処女の小夜にも解った。
「坊ちゃま…いつの間にか大人になられていたのですね…」
小夜は感慨深げにティッシュを見つめて呟いた。

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