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K国の陰謀
官能リレー小説 - アブノーマル

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K国の陰謀 2

K国、それはキチガイ国の略である。
漫画しか見ずに育った老人が書きそうな、わざとらしく古臭い言動を繰り返す女達しか居ない国。そんな非現実的な女にこれまた古臭い言動の男が間抜け面で引き寄せられていく…。
何もかもがイカれていた。
「全く、見るに堪えない光景だよな?」
「え? えぇ…」
いきなり柿田に同意を求められて戸惑う。今見ているクソ映像に笑うべきところは無い。とりあえず苦笑いを浮かべておくが、その笑顔も引きつっているであろうことは想像に難くない。
俺が柿田と同行しているのは、阿多町でのライブの件を上層部に報告するためだ。
一応、上層部には柿田がK国の関係者を誘い出してライブを開催したことは報告してある。そして、その報告に対する返答は、
・柿田の行動は私的行動である
・つまり公的なものではないため、大した問題ではない とのことだった。要するに好きにやれ、ということらしい。まぁ、事なかれ主義のN国らしく…というところだ。
とはいえ、一応は柿田の暴走を抑えるために俺が同行している。今のところは全くその必要は感じられないが。
「そろそろだな。俺はもう行く」
「わかった」
柿田が席を立ち、俺も立ち上がる。二人で客のフリをするためにそれとなくグッズ販売の列に並ぶと、柿田からある要望があった。
「会場内で俺に話しかけてくる者がいたら、会話に加わって適当に相手をしておいてくれ」
「適当に?」
「そう。テキトーに。とりあえず、時間を稼いでくれればいい」
なんだかよく分からない指示をされたが、とりあえず頷く。俺は柿田の見張り役ではあるが、その程度のことはしてやらなければならないだろう。
イベントは順調に進行していた。どうやらコンサートではなくトークショー形式で行われるらしいが、見る限り会場の男達は皆退屈そうだ。
誰もが上の空で、K国アイドル達による卑猥なダンスや歌を見たがっていた。
トークショーのMCがN国の話題を出すと、客席の男達から笑い声が上がる。明らかに自国を馬鹿にしている様子だ。
そして、トークショーはN国を馬鹿にするような話題で盛り上がっていく。政治がどうだ、経済がどうだ、環境がどうだ…。
柿田も何食わぬ顔でその輪の中に入っていき、下らない話題で笑うフリをする。
会場の男達はN国の話題になると、手を叩いて大笑いをする。
N国を馬鹿にするのはK国では一般的ではあるが、N国民である彼等がここまで露骨に馬鹿にするのは彼等の劣等感や被害者意識を感じさせる。
トークショーではN国とK国の対立の溝を更に広げていくような話が続いていく。

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