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馬野
官能リレー小説 - 寝とり/寝取られ

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馬野 2

馬野の口から「ナンパした」と聞くと、首を傾げたくなってくる。
「はは、嘘臭いでしょ?でも、事実は小説より奇なり。って言うからね。あくまで仕事抜きでナンパした子なんだけどさ。」
「はぁ…」
正直、馬野と、この美女はどうしても釣り合わない。もちろん、馬野が金に物を言わせて…とかならば、素直に頷けるのだが。
「この子、今は人妻で三児のママなんだよ。全員、私の子で。もちろん、彼氏とデキ婚のキッカケも私の種。」
「えぇ?冗談ですよね?」まさか、と思った。あり得ない。
「いやいや本当に。ちゃんと狙って作ったし、DNA鑑定もさせたから間違いないよ。」
「そこまで…しているんですか?」
亮輔は、馬野が一気に恐ろしくなった。彼氏持ちの女性をナンパして…までは、どうにかして飲み込む事が出来る。が、妊娠させた挙げ句、産ませるなんて信じられない。しかもDNA鑑定をして、自分の子供だと証明までしている。
「まぁ、旦那さんは何も知らないからねぇ。やっぱ、上等な雌を孕ませてこそ、雄の本能が満たされるって言うのかなぁ。」
そう言って、テーブルに置かれた梨絵の写真を見て、ニヤリと笑う馬野に、次の言葉を掛ける事が出来なかった。
「あ、勘違いしないでね。彼女は尻軽とかそういう子じゃないよ。まぁ、亮輔君から見たら、そう見えてしまうかもしれないけどさ。ただ、気を許した男には凄く甘えたりって言うか、何でも聞いてあげたくなるタイプって気質なんだろうね。」
「はぁ…なるほど。」
ほとんど頭に入ってこないが、とりあえず相槌を打ってビールの残りを飲み干した。
「で、本当に大丈夫なの?万が一、梨絵ちゃんが落ちちゃったら…」
「…」
考えられない。が、切っ掛けを作ったからには、責任も自分が負うべきなんだろう。それに、馬野が失敗する公算の方が、自分的には高い。
「私は、君が知りたい事を全部、正直に話すよ。もちろん、これは私と亮輔君の間の秘密だから、梨絵ちゃんに依頼の事を話したりは絶対にしない。」
「はい…大丈夫です。お願いします。」
「わかった。楽しみにしてるよ。じゃ、次に会う時に、印鑑もよろしくね。」
馬野は、伝票を手にして席を立った。
「…」
暫く座ったままだった亮輔だったが、既に夜の22時を過ぎている事に気付いて帰路についた。
途中、梨絵の部屋に寄ってみたが、パジャマ姿の梨絵は「気分じゃない」と体を許してくれなかった。やはり、性行為そのものに対しての抵抗感があると思う。
「じゃあ口でしてみてよ。」
と、頼んでみたら、
「私を何だと思ってんの?したきゃ勝手に風俗でも行けよ。帰れ。」
と、お叱りを受けた。彼女の口調が乱暴になる時は、必ず本気で怒っている。俺は、何度も謝ってから、梨絵の部屋を後にした。
「馬野さんでも無理だろうなぁ…。」
ボソッと独り言を呟いてから、その日は眠りについた。
三日後。
馬野から、書類を見せられた。性病はもちろん無し。そして、「ルール」の書かれた方は、概ね問題無かった。
・亮輔は、梨絵の浮気を黙認する事。
・泥酔状態で関係を持つのは禁止。
・馬野と梨絵の関係を継続するか否かは、梨絵の判断を尊重する事。
・継続する場合、必ず会う前に、馬野から亮輔へ報告をする事。
・亮輔は、梨絵の個人的なプライバシーに関する質問をしない事。
・避妊、万が一の妊娠に関しても、梨絵の判断に任せる事。
・恋愛感情は一切持たない事。馬野も持たないように仕向ける事。
・婚約を破棄するような事態になった場合、亮輔が有責となる事。
・全てに関して強要、脅迫はしない。梨絵が、浮気だと認識して関係を持つ事。
・その他、一切の責任は、亮輔が負う。
「まぁ、こんなとこかな。しっかり読んでからサインと捺印してね。」
一つだけ、気になる部分がある。
「この、妊娠って…」
「うん、私は本気で落としにいくからね。もちろん、生も中出しも梨絵ちゃんにねだるし、妊娠させる気だよ。ちょっと押し気味で。まぁ、彼女の意志が強ければ、何の問題も無いよ。」
万が一、浮気した挙げ句に、妊娠してしまった梨絵が産みたいなんて言い出したら、どうなるんだろう。しかし、今さら止まれない。俺は、効力があるのか無いのか判らない誓約書に、署名と捺印をした。浮気しない方に賭けたんだから、それに乗るだけだ。
書類を鞄にしまって、馬野は立ち上がった。
「じゃあ、いきなりだけど、前に行った居酒屋に彼女を呼んでくれるかな?」
「今から、いきなりですか?」
「うん。彼女が到着したら私が合図するから、急用で行けないって連絡して。後はこっちでするから。」
まだ、心の準備が出来てない。一気に緊張して心臓が高鳴ってきた。
「わかり…ました。」
彼女にメールを打つと、馬野は「じゃ、またこちらからもメールするよ」と、すぐに喫茶店を出て行った。
梨絵から、19時に到着すると返事が来た。その間、俺は近くの満喫で時間を潰す事にした。
19時を過ぎた頃に、馬野からメールが来た。「彼女が来たよ。」と。すぐに俺は梨絵に電話した。
「梨絵?ごめん!急用出来ちゃって!」
「えー?来れないの?もう着いちゃってるんだけど…」
「うん…、実家の方に行くから…」
「大丈夫なの?」
「うん、大丈夫。また連絡するから。」
通話を切ってから、罪悪感が込み上がってきた。梨絵の心配そうな声が、頭に響く。
それから、3時間は過ぎただろうか。もう諦めたか?と思っていた頃に、馬野から一通だけメールが届いた。
「今から彼女のアパートに入る」
見た瞬間に、一気に内臓がせり上がるような感覚を覚えた。
「嘘だ…!」
信じられない。梨絵が、会ったばかりの男を部屋に入れるなんて。俺は、満喫を飛び出して梨絵のアパートに向かった。
部屋の電気は消えている。塀と壁の隙間を通って、裏手の窓へ回った。

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