全裸で 2
そしてすべてを玄関のところに置いた彼は、千尋に案内されて、俺と万里が待つリビングの扉をくぐった。
彼は大きく目を見開いた。それでも、かれの男の象徴はまだ畳まれているような状態で、陰毛もなく、反応して大きくなって、という状況にはまだなっていない様子だった。
「あ、万里が、いつもお世話になって…」
俺がビジネスとあまりかわらないようなあいさつを始めると、万里はそれを遮るかのように、
「加藤君、来てくれてありがとう!」
と、椅子から立ち上がって彼に駆け寄るようにして、言った。
「パパ、ママ、こちらが、クラスメートの、加藤百太君」
「あ、ええと、お邪魔します」
百太は、やや緊張しながら、すすめられた椅子に座った。
万理が学校での加藤君のことを明るく説明している間、彼は千尋が置いた麦茶を一口飲んだ後、ずっと下を向いているようだった。
「加藤君、どうしたの?」
「あ、いや…鈴木さん…いや、万理さん、学校での雰囲気と全然違って」
「万理、学校ではどんな感じなの?」
千尋の問いに、加藤君は、万理が学校では友達が少なく、ツンとした雰囲気であることを、ポツリポツリと説明した。
「そうなの」
「うん、なんか、学校って窮屈で」
「なんか、鈴木さんの、印象、変わったよ。家では、こんな…明るいんだね」
万理は席を立って、加藤君に歩み寄った。
「下を向いて言わないで。ねえ、私の目を見てよ」
百太はおずおずと視線を上げた。
「みて、これが、ありのままの私。興味あるなら、これからも、遊びに来て」
万里は手を差し伸べ、百太は、硬く握手した。もう、目は、まっすぐに万里を見ていた。
彼は早々に帰っていったが、また来ると万里に約束した。
その晩、俺と万里は風呂に入った。赤ん坊の頃に風呂に入れていた流れで、今も俺と万里が一緒に風呂に入るのが習慣になっている。
常にお互い裸だといっても、風呂はまた別の感覚がある。
「パパ、そこ、洗ってあげようか」
「ええっ?!」
万里は、明確に、男の、女と違う下半身の場所を、さして言った。
俺は慌てた。
「何でだ?万里、いきなり」
万里は、どこで覚えたのか、上目遣いで俺に一歩近づいた。
「今日、加藤君の裸見て…パパ以外の男の人の裸見るの初めてで、ちょっと、どうなってるのかな、って…何か…気持ちいいの?パパ?」
「あ、ああ、そうだよ…」
俺は万理を正視できなくなっていた。思考がコントロールできず、不覚にも、実の娘の前で、ソレはどんどん大きくなっていった。
「わあ、おっきくなってるぅ!じゃあ、ボディーソープつけるよ」
万理はすぐに、剥けてきた俺の先端にボディーソープをいっぱいつけた指を触れた。
俺は、声になるのを、こらえた。
「パパ、これ、気持ちイイの?」