侍物語〜ふたなり侍〜 2
表向きの静を知る人は、静がそれだけ強い肉欲を持っているとは思わないであろう。
寂れた道場に娘以外の弟子がいないとは言え、その剣術は江戸屈指の腕前。
女剣士として凄いと言う領域を超え、男に混じっても静の腕は江戸屈指の存在なのだ。
長身で凛とした清楚な美女。
しかも29歳の母親と思えぬ若々しさ。
真面目な性格で剣に関しては誰より厳しい静が、強い肉欲を持っているとは誰も想像できなくても当然であろう。
しかし、その肉体は熟れた女である。
西瓜のような大振りな豊乳、肉が程好く乗りながらも魅力的に括れた腰、張りがありながらも巨大な臀部に美しく長いがむっちりと肉の乗った太腿・・・
誰もがその身体を見れば欲するであろう静の妖艶な肢体は、今まで亡き夫だけに捧げられてきた。
だが、静のかつての性生活で悦びを感じれた事はなかった。
静が亡き夫と夫婦となったのは13の歳。
豪商の三男坊との婚姻は静が望んだものでなく、道場の跡取り娘として必要な資金援助を得る為のものであったのだ。
静の夫となった男は、静より遥かに小柄で浅黒く肥って醜い男だった。
性格も歪んだ男で、静と結婚できたのも実家の財力あっての話であった。
うら若き美少女剣士は、その醜い夫に純潔を散らされ、毎夜の夜伽を強要され続けた。
それは若い静にとって苦痛以外の何者でもなく、彼女は夫との行為を少しでも忘れようと更に剣術に打ち込んだ。
しかし、夫は粗末な逸物ながらかなりの絶倫で、静を朝まで啼かす事もしばしばであった。
14で瑞穂を産んだものの、夫の求めは以前のまま絶倫であり毎夜の努めが変わることはなかった。
更に、静の父が亡くなると夫の責めは過激で執拗となり、様々な道具まで使い静を毎晩責めるようになった。
後年、静が鬼門堂を知る事となったのも、それが一因であった。
静は毎夜、夫に責められながらも、それは苦痛でしかなかった。
故に剣の訓練はそれを振り払うように激しくなり、静は江戸屈指の剣士となったが、ついていけなくなった門弟は全てやめてしまう結果となった。
そして、十数年が過ぎた頃から静の夜伽の回数は減り、静は安堵しながら夫の性欲が落ち着いたのだと理解していた。
だが、それは静の大きな間違いだった・・・
婚姻した当時の静に瓜二つに成長した娘の瑞穂に、歪んだ夫の性欲が向けられていたのである。
夜な夜な瑞穂の寝所に入り、獣欲で汚していた事を知り、静は娘を守る為に自ら苦痛な夜伽を求めたが、結果は悲惨なものであった。
静と瑞穂の母娘が二人して夫の餌食となっただけだった。
それから毎夜、母娘は共に夫の獣欲で淫らな責苦に啼かされた。
昼は互いにそれを振り払うように剣術に打ち込み、瑞穂も剣士として十分な腕前となったが、同時に母同様に淫らで豊満な女の肉体に変貌していった。
その時と共に激しさを増した母娘の責苦は、夫の急死により終わりを告げた。
互いに抱き合って泣くぐらい辛い責苦の終了に不謹慎ながら喜んだ母娘であったが、あれ程辛い責苦で残った物は毎晩夜鳴きする熟れた肉体であったのだ。
それ故、静はかつて夫が自分を啼かせた道具の仕入先・・・
つまり鬼門堂に行く事となったのである。
鬼門堂は静の住んでいる北側の町。
鬼門町にある。
前にも説明したと思うが北側は不吉な方角である。
それ故、北に住まいを持つ者はそう居ない。
ただし、まだ殆ど手つかずな状態の場所が多い。
そのため商人などは北に店を作ろうとしている。
また剣術家なども道場を作っている。
しかし、今の所道場は静の剣術道場と弓道場しか無い。
話を戻すと、この北側に鬼門堂はある。
店主は元は船乗りだったらしく海外にも出張して財を築き上げた老人だった。
そこに静の夫はよく足を通わせては玩具を買った。
夫が亡くなった後は静が足繁く通い店主とも仲が良くなった。
そしてマーズこと黒い肉棒を手に入れたのだ。
それから暫く経って店主は静に鬼門堂の主にならないか?と提案してきた。
理由は歳でそろそろ隠居したいからだ。
ただし、自分が心血注いで作り上げた店を下手な人物には任せたくない。
静はその点、身元もしっかりしている。
それを店主は見込んで静に頼んだのだ。
静としても渇きを癒せるのなら構わなかったし、何より道場だけでは生活費が稼げない。
考えた結果、店主の提案を飲む事にした。
現在、静はこの鬼門堂に一人暮らしをしている。
娘である瑞穂は道場に残り2人の姉妹と暮らしながら道場を切り盛りしているが、瑞穂もまた夫に蹂躙されたため渇きがある。
そのため7日の内4日はここに必ず来ては静と交わり渇きを癒している。
本当なら7日間ずっとここに入れ浸いというのが瑞穂の本音だった。
しかし、それでは姉妹に怪しまれるし道場の経営が成り立たない。
そのため帰っているのだ。
そして現在は渇きを癒した事もあってか道場に帰っているから今度来るのは恐らく2、3日後だろう。
それまでは静一人だけでここを過ごす事になる。
それを知っていたからマーズは静から出てきたのだ。
「さぁ、静。これから我と共に楽しもうではないか?」
マーズは静を壁まで追い詰めた。
「共に?何時も貴方ばかり楽しんでいる気がするんだけど・・・・・・・・」
静は自分より身長が上のマーズを見上げながら言ったがマーズはそれを鼻で嗤った。
「何を言う。ちゃんとそなたを何度もイカセているではないか。それに子種も注いでいる」
そう言いながらマーズは静の顔を挟むようにして大木のように太い両の腕を壁に押し付けた。