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邪宗ふたなり教
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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邪宗ふたなり教 8

だから父親はあの時目の前で母親の頬を叩いた、認定されると子供の進路にも影響が出かねないからだ。
「おかしな話さ、両性具有者は戸籍法は女性扱いなのに」
目の前に居る孤児を見ると実感した。
夕食も済んで未就学児や低学年の子は就寝、高学年や中学生に高校生は勉強しており雫も参加していた。自分は分かる範囲で課題を見る……孤児院の子は就職を選ぶ事が多いので資格取得の勉強をしている子も居る。やがて就寝時間になり、外出していた職員さんも戻って来た。
「ご苦労さん、すまないね」
「いえ」
差し入れのビールと肴をゴチになる、ここでは原則子供が寝た後に酒が飲める規則になっているらしい。
「所で雫ちゃんはどう思っている?」
「何か?」
「彼女も孤児なんだよ、今は医大教授している養父とその奥さんに引き取られているがね……乳児の頃にここに預けられた事がある」
「彼女も」
「両性具有者だ、君は愛せるかね?」
「母親が嫌ってまして……」
「そうか」
職員さんはその後何も言わなかった。

母親は自分にどれだけ期待していたのか分かっている……だが自分には友人が居ないから寂しく思っていた。



後日、駅前で雫ちゃんと待ち合わせていた。未就学児童に何冊か絵本を贈る事になり、ゼミ仲間を待っている。
「ごめんなさい、他の人まで迷惑かけて」
「2人きりの所見られたらマズいと思ってね……」
和弘も苦笑するがゼミに属する他の学生に知られてしまい、紹介する事になってしまった事は言えなかった。
「待たせなぁ……カズ、そっちが」
「青柳 雫です……初めまして」
肩幅が広く体格が良い男に対して会釈する雫。
「この人は笠 隆弘さん、四年生だよ」
「笠です、で隣に居るのが三川 ハルミで三年生だ」
「先輩すみません」
「いいさ、あの女学園のPTAは些細な事で文句言うからなぁ……ハーちゃんも嫌で高校からは余所に進学したほどだからねぇ」
雫が通う女学園は時代錯誤と思える程男女交際に厳しく、古典的な親は満足するが今時の子供は嫌気がさして不登校になって転校する事も珍しくない。今の理事長は数年前に亡くなった先代理事長の息子で年々生徒数が減少して危機感を持っていると言う事だ。セミの教授とは竹馬の友で彼も酒宴の席に同席するからゼミに属する自分も分かる。時間があるゼミ所属の連中も集まり、駅前の大型書店へと向かった。


数時間後、日が落ちていたので雫を自宅まで送る事にした。彼女の自宅は結構な邸宅で医大教授夫婦が済むには広すぎる感じもした。
「ありがとうございます、おやすみなさい」
「おやすみ」
自分も自宅へと歩きだし、自動車とすれ違う……何かを感じたが気にしなかった。



「これはキョウコ様」
「先程、チラッとみたが中々の青年じゃな……雫には丁度良いだろう」
雫は恭しく車内から降りたキョウコに挨拶をする。教団施設にこもりがちに思えるが彼女は幹部信者の元に出向く事もある。
随行している男性信者がトランクに入れた麻袋を抱えてリビングに置く、青柳邸の駐車場はリビング横にあり将来介護が必要になった時にはここから車椅子の出入りが出来るようにしている。巧みな植栽もプライバシーの保護のためだが実際はこんな事をする為でもある。
「これは……」
「お主が将来義母と呼ぶ女の恋人だ」
麻袋を解くキョウコの言葉に雫は唖然とした、どう見ても小学生の男の子で薬品で眠らされている。
「……ショタ趣味ですか」
「妾も驚いたおる、この子はターゲットの近所にあるアパートの子だが親はシングルマザーで水商売をしておる……次女と同じ歳じゃな」
「呆れて言葉も出ないか……キョウコ様」
「餌にするには丁度良いだろう……こ奴の母親も方も別の信者が抑えている」
義父はヤレヤレと言う表情で少年のバイタルをチェックをする、今の所安定しているようだが衣類を捲ってみると痣が出来ている。
「キョウコ様、そんなに睡眠薬の多用はお勧めできませんので」
「うむ……暫くは教団が息がかかった医療施設に預ける、どうもヒモに虐められているからな」
「児童虐待ですか」
「まっ、どうしょうもないチンピラなので叩きのめしてあちらさんに任せました……児童虐待一つで組事務所のガサの口実が出来ますからねぇ、スムーズに行きました」
運転手役の信者は元この手の人だったらしい事は雫も知っていた。
「保護した場所は適当にでっち上げておきます、キョウコ様にはご足労を……」
「よいよい……妾の我儘で苦労をかけておるからのぉ」
キョウコ様の表の顔は資産家令嬢……自分を捨てた両親の実家を完全に支配下に置いていた。

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