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邪宗ふたなり教
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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邪宗ふたなり教 20

兄が高校時代に初恋の人から別れ話を持ち出された時、兄は初めて母親に罵声を浴びせた。その日から私は兄と一緒に風呂に入る事を母親から止められた。自分の口で兄は失恋したのだ……それ以来兄は私も姉とも必要以上に会話をしなくなった。多分母親の分身と思っているのだろう、兄は“兄を演じている”のに過ぎない。
「お兄ちゃん、僕は……いまでもすきなんだよ」
部屋に入ると継美は下着の中に指を入れた。

「おいしい〜〜〜」
「すまんな、青柳……」
「いいの、デート出来ないしね……」
食卓にて夕食を取る面々……母親が療養が長引いて家事を分担する様になったが和弘は大学の課題との両立を悩んでいた。そんな時に雫がこの様に家事をしてくれる事はありがたいと思っている。
「もうさ、青柳さんが卒業したら結婚すれば?」
和弘は咽て、雫もドキリッとする。スプーンを落しそうになる。
「多分お母さんも以前のように反対しないよ……青柳さんが義姉になってくれるといいなって思う、お父さんもあの時楽しそうだったし」
「継美!」
「大丈夫、今度の総会で校則が大幅に改定するってさ、だからデートも出来るよ」
継美はスプーンを銜えておかわりをする為に席をたった。

数時間後、父親と一葉が帰宅した。
「駅前で偶然会ってな……青柳さん、申し訳ない」
「いえ、私も好きでやってますし」
「和弘、彼女を自宅まで送ってやりなさい」
「そのつもりだよ」
自動車のキーを投げ渡す父に彼は苦笑する。
和弘は雫を自宅へと送り届ける為に外出した。
「お父さん、青柳さんがお兄ちゃんの奥さんになったらうれしいよね」
「そうだな……最終的には二人に任すよ」
「セックスしているから?」
一葉は絞る様な声に父親が言う。
「仕方ないさ」
「やっぱりね……お兄ちゃんはここら辺の男じゃ勝ち組かな」
継美は自分が通う女学園の価値は知っていた、今でもスイミングスクールや学習塾でも幼稚園児一緒だった男児に言い寄られる事もあるが“お友達でいましょうね”で済ませてしまう。
「継美!」
「おねーちゃんは硬過ぎ……もうPTA役員の娘じゃないんだしさぁ」
あの事件語、母親はPTA役員を辞任しており今は父親が会員になっているが兄が代役として出ている。
「……何が分かるのよ、お子様の癖に」
年齢的には変わらないと思うが一葉は母親があんな事件に遭遇して学園内では一人でいる事が多くなっていた、その苛立ちは日々高まっていた。優しくしてくれる兄に恋人が出来るのは心の何処かで許さない感情もある。
継美の場合は元々から社交的で塩梅を取るのが上手く学園内でも孤立はしてないが多少なりとも母親の事件は影響を受けている。自然に距離を置く子が出て来ているのもその一因だろう……だが彼女は割り切っているので時折礼拝堂の懺悔室にて愚痴を零している。
「まさか伯父さんの為に好きでもない人と結婚して外れたらどーするの?お父さんのように善人ばかりじゃないよ」
「あ、あんたねぇ」
父親が宥めて継美は少し不満顔だ。


思えば子供の事は妻に任せきりの年数が長く、ここ数年仕事も余裕が持てる立場になって子供との会話が出来るようになったが娘の事になるとややこしいが妻が娘二人が通う学園での問題を起さないだけでもありがたいと思っている。そこは妻の母校だからだ、和弘の時は自分の母校に通わせた時は妻は共学を経験してないから色々と不満事が多く私が人様の目の前で妻の頬を叩いた事もある。最も今はあの女優との不倫している立場では強くは言えない。



数日後、昼休みに和弘と待ち合わせして定食屋で昼飯を取る。
「どうだ?就活は?」
「まだまだ厳しいかな、親父の所も余裕ないのだろ」
「リストラが出ないだけもマシかもしれん、人事課長は今や生贄の席だ」
企業を回っていたらしく、和弘は着慣れないスーツに身を包んでいた。
「課長、どもぅす……えっ」
「ああ、息子だよ。今は大学二年だ」
「部下の鈴木 将司です。何時もお世話になってます」
社会人になって二年目の男に和弘も頭を下げる。

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