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邪宗ふたなり教
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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邪宗ふたなり教 17

「なるほど、間接的ですが関係があると言う事ですね」
一課刑事の言葉に榊嶋は言う。
「強ち、挨拶はしたかもしれないと言う証言は正当性があり、ボランティア活動は校外にも及ぶんですね」
「異性は徹底的に排していたのですが今の理事長は知り合いの大学教授を介してその制限を撤廃、ガイシャはそれに関しても噛みついていた。これは理事長も認めてます」
目の前には谷底から引き上げられた和子の自動車が無残な姿になり、自動車運搬車に固定されていた。
「榊島課長、大変です。仏です!」
幸いと言うか死体は和子ではなかった。
若い男性の死体で腐乱が始まっており、殺人事件として新たに捜査本部が設けられる事になる。榊島らも現場へと向かう……。

「所持品から免許証により身元は武藤 明弘、東京近郊在住ですので警視庁を介して彼の自宅を家宅捜査の準備をします」
所轄署にて榊嶋の手配に県警本部長は頷く。
「山狩りして新たな殺人事件とは」
「仏から見て数日前の関 和子さんの事件とは無関係とは断定出来ません」
「あの噂を信じているのかね?」
「都市伝説になるぐらいですからねぇ、両性具有女性が教祖を務めるカルト教団。それが表に出ない理由は我々を恐れて極力介入を避ける為に派手な勧誘活動をしないと思います。あくまで私個人の推理ですかね」
榊嶋の言葉は穏やかであるが周囲は納得する。
「とは言え、武藤さんが殺害された事は明らかです」
司法解剖により死因は刃物による心臓を刺されての即死、殺害現場に関しては不明。凶器に関しては発見されてない。
「申し訳ありません、所沢さん」
「いえ、和子が昔から気が強い子ですから……」
所沢とは和子の旧姓であり、榊嶋が話しかけた男は所沢 一樹。和子の兄であり、次の国政選挙の時には立候補するとも言われている。
「対立候補とは相当な因縁があると窺ってますが」
「ええ、誹謗中傷のビラやら張り紙は当たり前ですよ」
げんなりしている表情を見ると深刻らしい。
「と言う事は和子さんがその対立候補の致命的な弱点を握ってしまった事は」
「あり得るでしょうね……探偵を何人か知ってますし、何ならその名刺を提出しましょう」
「ご協力感謝します」
県警本部長は深く頭をさげた。


和子の凌辱は新人信者らが果てるまで続き、彼女はボロボロになっていた。高慢キチな性格だったとは思えない。
「映像も撮らせてもらったぞ、お主はそのまま放りだす……」
キョウコの言葉に和子は震えていた、今この姿を出されては身の破滅だ。しかし別の信者は和子を拘束するなり睡眠剤を投与した。

和子はほうりだされたのは故郷の廃校前であった。新聞配達員が発見してただ事ではない事に110番交番勤務の警察官と同時に119番された。暴行された形跡が見て取れたので警察が手配したのである。そして身元照会の結果一日前から犯罪被害者緊急手配された関 和子と分かり県警捜査一課から警視庁各捜査課が保護された場所は夜明けを過ぎて通勤通学時間帯には集結し騒然となっていた。
「通学路になっているとは迂回させますか?」
「事件捜査に協力してください、何分デリケートな事件でしてね」
地元の小学生保護者が喰ってかかるも榊嶋は宥めていた。迂回路には地元の非番若手警察官らが動員され警戒に当たらせているのにと思うが……。
「課長、いいのですか?」
部下の一人は呆れつつも自ら交通整理もしていた。
「どうしてこの廃校前にしたのでしょうかねぇ?」
「意趣返しなら彼女の実家でもいいでしょう、ですが監視カメラはある筈ですよ」
「なるほどね」
「と、なるとガイシャを浚ったのは身元を知っていると言う事になります」
「?」
「普通、免許証や所持品だけじゃ判断付かないし。そこが廃校である事を知っている」
先程の小学生保護者は年配の警察官が割って入り宥めており榊嶋は部下の疑問に答えている。
「ここは統廃合で廃校されましたがその選定に関してはガイシャの父親と当時対立候補であったがライバルが働きかけをしたのですが……結局はそのライバルが推すここが廃校になりました」
「良く短期間で……」
公安課課長は頭を掻きつつも呆れる。
「些細な事でも解決になれば、この様な事は対立候補陣営がしたと言う偽装工作かもしれませんな」
「捜査の眼を向ける為に?」
「ええ、私個人の推測ですよ」
その推測で冤罪事件にならずに済んだ事は数知れず、警視庁の裏エースにて総監の最終兵器とも目されるのが榊嶋である。

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