余りにも急に日常が崩れ、人生が奪われた……上林　賢人は自分の身体が意思に反して衣類を脱いでいる事に戸惑う、自分だけではなくクラスメートらも……教壇に座りニヤニヤしているのは副担任の上村　由香里先生、少し気が弱く複数の児童生徒らに舐められていたのだが今の先生の姿は煽情的な衣類に身を纏いアイシャドウもキツめに施している。
「ふふっ、貴方達はヴィリンス帝国の家畜児童になってもらうわよ」
「ふざけるなぁ！上村先生をかえせぇ！」
「あら？分からない？上村　由香里本人よ？私は人間の楔を抜かれた存在……貴方らは社会の秩序を守れないのならヴィリンス帝国が引き取ってあげるわ」
ヴィリンス帝国、数年前に突如出現した異次元からの侵略者で地球の技術を遥に凌駕している。ただ同時期に“エリシオン星国”が地球に存在する各国と自然生態系保護の為に介入し拮抗状態に……既に複数の国が壊滅しておりヴィリンス帝国植民地に……バリアで覆われているのでエリシオン軍でも苦戦している。
ヴィリンス帝国の侵略された国は何れも政情に不満を持つ国民が多過ぎであり、反政府思想国民を騙して怪人化している。恐らく催眠されていたのだろう……賢人達は全裸になると床に散らばった衣類を畳み一番上にパンツを置く。そしてガニ股になり衣類の上に跨ると便意と尿意が急激に感じた。
「いやぁああああ！」
「やめてぇええ！」
便と尿が着ていた衣類を汚し、履いていた上履きもシミを作る。その模様はドロイド兵により撮影されているのだ……彼らも数時間前に人間としての生を失っている。
「人間卒業式終了〜〜さあ次は家畜化だよ〜男児は少々手間かかるけどねぇ」
ドロイド兵は児童らに首輪を装着と内側にあるマイクロサイズの針が食い込む。何故か腕のみの制御が解かれた。何人かは首輪を手にしたが外れない。
「無理に外すと頸動脈まで切れちゃうよ？どうなるかは理科の授業で習ったよね？まあ脳死しても体の使い道は幾らでもあるんだねぇ。例えば糞尿を処理できるように内臓を改造しちゃうとか」
「うっ……」
全員首輪から手を離した。足が動き糞尿に塗れた衣類を踏みつけた、そしてその場で足踏みを始める……。
「これから歩く事が多くなるよ〜〜まともな靴なんて与えられないからねぇ〜大人の話を聞かない子は人間じゃないわぁ、帝国が有効活用させてあげるわ」
これが学級崩壊寸前にされた彼女の私怨だ、恐らくスマホかなんかで催眠され悪落ちされたのだろう。理解されない周囲や社会に対しての答え、それは誰もが真っ青になり責任問題追及する所ではない。


糞尿に塗れた上履きを脱ぎ教室から隊列を組んで出る児童らは校舎の外へ……下駄箱がある所には戦闘ドロイドにより射殺された警備員の亡骸が転がっていた。年齢的に生殖不可と識別されたのだろう、そして巨大なＵＦＯが上空にある事を知った。
「フィーラー遅かったわね？」
「ここでの教育を済ませて来ただけよ、母親らは確保しているわね？」
「ええ」
上村先生だけではない、女性教員全員洗脳されて怪人化しているのだ。

賢人達は反重力装置によりＵＦＯ内に収容されると家畜梱包機と称される装置により洗浄と乾燥を受けビニールの様な素材で体を固定され股の部分に機材が装着され頭部が固定されると口枷が嵌められ耳に何かが装着された。
「安心して〜形状こそ悪いけど栄養ばっちりの食事になるわよ」
「！！！」
「そしてファームに着くまで帝国圏内の各言語と文字はインプットするからねぇ」
その瞬間意識が飛んだ。


フィーラー達が去ったベットタウンには死体と僅かな生存者、辛くも隠れた事によりドロイド兵らから逃れた面々だ。
「ひっ……」
「ちっ、帝国め……資金集めにしては荒っぽい事をしやがったな」
教室の惨状を見た彼は舌打ちし先程保護した少女の持ち物を確保する。数分前ダバートはアサルトライフルを構えつつも保健室のドアを開ける。軍用犬型ドロイドが電子回線に侵入して解除した。
「誰かいるか！エリシオン星国海兵団のダバートだ！」
射殺された男性教師の遺体が動く、ダバートが合掌し遺体を動かすとベットの下から少女が出て来た。軍用犬型ドロイドがスキャンしブービートラップではない事を確認。
「しいざき　ゆいです、あの？」
「大丈夫オジサンは地球を守りに来たからね……えっとお漏らししちゃったか」
無理もないか、むしろ狂って発見でもされたら彼女も家畜人にされただろう。とりあえず彼女を肩に載せて教室へ。そして隊長に報告を終えた時には彼女はスク水を下着代わりにした。
「どうなるんですか？」
「唯ちゃん……御両親は殺された、そして君は帝国の侵略行為を受けた被害者だ。帝国も証拠隠滅を図るだろう。保護する事になる」