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回復術士と女豹
官能リレー小説 - 二次創作

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回復術士と女豹 1

ここは、ジオラル王国の裏路地にある小さな酒場であった。その店の奥には隠された扉があり、そこでは裏の仕事の依頼や内緒話をするにはもってこいの小さな部屋があった。その部屋に、二人の男女が向かい合って座っていた。
男性の方は王国の人間だろうか、襟元に王国の紋章が付いた白い装束を着ていた。腰の辺りには剣が装備されていた。そして、その男性の向かい側に座っている女性は、男性とは対照的に黒いドレスを着て、深々とした帽子を被った女性が座っていた。
「それで、私に仕事の依頼をしたいということで間違いないかしら?」
「ええ……峰不二子さん。あなたの能力を評価して、仕事を依頼したくこの部屋にお誘いしました。内容が内容だけに外部に漏れるわけにはいきませんので、この部屋なら安心かと邪魔する人間もいませんしね」
黒いドレスで深々な帽子を被っていた女性の正体は峰不二子であった。
「話を聞く前に一つよろしいかしら?」
「ええ……構いませんよ」
不二子は仕事の話を聞く前に、男に質問しようとしていた。それもそのはず、目の前の男性の襟元には王国の紋章が付いているからである。不二子には誰からの仕事の依頼なのか気にならずにはいられなかった。
「あなたのその襟元にある紋章……あなたは、王国側の人間かしら?」
「その通りです。不二子さんへの仕事の依頼人は、我がジオラル王国の国王です。ですが、国王が直接会うわけにはいかないので、代わりに私があなたをこの部屋にお誘いしたという経緯です」
「国王からの依頼ですって!?確かに、流石に国王が直接私に会うわけにはいかないわよね。国王が仕事の依頼を犯罪者である私にしたなんて表にバレたらこの国の終わりだものね……」
不二子は帽子を脱いで、側に置いてから、頬杖をつくと男性の方を見ながら笑みを浮かべていた。
男性は不二子の笑みに思わずドキッとしてしまうが、咳払いをした後、本来の用事に話を戻そうとしていた。
「それでは、仕事の話に戻りましょうか。あなたに依頼したいことは、この写真の人物を探し出して見つけてきてもらいたいのです」
男性が一枚の写真をテーブルに置いていた。そこには、茶髪の少年ぐらいの男子が写っていた。
「この写真の男子は誰なのかしら?」
「彼は癒の勇者でケヤルと言います。彼を見つけだして、拐われてしまったフレア様とノルン様を連れ戻してもらいたいのです」
「フレア様とノルン様ってもしかして?」
「はい。お察しの通りです。フレア様とノルン様はこのジオラル王国の第一王女と第二王女です」
「そう……なのね」
不二子は驚きを隠せないでいた。それもそのはず、国王の娘である第一王女と第二王女が拐われたことは、大きな事件だからである。

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