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主人公補正を得た猿山
官能リレー小説 - 二次創作

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主人公補正を得た猿山 1

白。
上下左右、360度どの角度から見ても白一色に塗りつぶされた殺風景な空間。
文字通り真っ白な世界のど真ん中を、猿山ケンイチはふわふわと漂っていた。
これは夢だ。
記憶をたどるにどうやら授業中うたた寝してしまったらしい。
まあどうせならエロい夢を見たかったものだ。こんな面白味の欠片もない夢なんて退屈でしかない。
…それにしても夢を夢だと認識できる夢を見るのは久方ぶりだ。
なんてことを考えていると、猿山の頭上から何者かが語りかけてきた。
『サルヨ…。サルヤマケンイチヨ……』
「はへ?」
声の出所らしき頭上を見上げてみたが、そこには白一色以外何もない。
なんだ? 空耳か?
『ソラミミデハナイ。ワシハココニオル』
「ここにってどこだよ。姿見せろよ」
「ニンゲンデアルヌシニハワシハミエヌ。ワシハ、カミナノダカラ」
かみ? 紙? 髪? 加味? いやイントネーションとかその他諸々から考慮するに神?
何やらおかしな夢を見てしまったものだと内心げんなりしつつ、猿山は頭上にいるらしい神様とやらに問いかける。
「んで、その神様が俺に何のようッスか?」
『サル、シュジンコウニナリタクハナイカ?』
何いってんだこいつ。
『コノTo LOVEるノシュジンコウハユウキリト。ダガワシノジンツウリキヲモッテスレバ、ヌシヲシュジンコウニカエルコトガカノウジャ』
(リト? リトが何だってんだ?)
訳のわからんことをほざきまくる自称神様の声に、さすがの猿山もドン引きする。
神通力? リトが主人公? トラブル?
……話についていけない。
『ドウナノジャ? シュジンコウニナリタクナイカ、ナリタイノカ?』
「うるせえな…」
またも降ってくるガミガミやかましい老人の声に辟易する。
すっかりどうでもよくなった猿山は、早く夢から覚めろと念じつつ適当に切り返した。
「あーはいはい。なるよその主人公に。なりゃいいんだろ、なりゃ」
『ソウカ……』

『猿山ケンイチ、お主を今よりTo LOVEるの主人公とする』
その声とほぼ同時に猿山は覚醒した。




「…結局何だったんだあの夢は?」
放課後。
授業中に居眠りしていたことがバレた猿山は、職員室に呼び出しをくらうはめになった。
普段の猿山の問題行為も相まってねちねち叱責され、解放された頃には空が夕焼けに染まっていた。
「それにしても主人公ねえ…」
猿山はどうしてもあの夢のことが頭から離れなかった。
夢にしてはやたら鮮明に脳内にこびりついていた。
トラブル。主人公。確かにあの声はそう言っていた。
この世界はトラブルとかいう作品で、リトは主人公だとか。
(リトが主人公…)
不思議とそれには合点がいく。
猿山の親友である結城リト。猿山より少しルックスは上以外は取り立てて普通の男子高校生でしかないはずの彼は、なぜか異様に女の子からモテまくっている。
宇宙のお姫様だったり、その双子の姉妹だったり、宇宙一の殺し屋だったり、堅物な風紀委員だったり、異星人のアイドルだったり、実の妹だったり…。とにかくいろんな女の子たちから。しかもその全員がレベルの高い美女、美少女ばかりときた。
うん、確かに主人公だ。主にギャルゲ、エロゲ辺りの。
まあそんなめちゃんこ羨ましい親友の話はともかく。
あの声はこんなことを言っていた。
自分を、猿山を主人公にすると。
それはつまり……。
「…なーんてな」
思わず自嘲が口からこぼれでる。
アホらし。あまりのモテなさ、親友への嫉妬心が見せた単なる夢に過ぎない。てか間違いなくそうだろ。絶対そうだろ。
神だの主人公だの、まったく我が夢ながら厨二臭いものだ。臭すぎて鼻が曲がりそうだ。
あんな頭の悪い夢なんてさっさと忘れてしまおう。

しかし翌日、異変は起きていた。
学校に行くと結城リトがいなくて、彼の席には夕崎梨子がいた
名前も結城梨子になっていて、リトに関することが
すべて彼女に置き換えらえていた。
そう結城リトなる人間は最初から居なくて、
結城梨子いう少女が昔から居たと言う事になっていた

猿山の記憶を除いては
この状況に少々混乱するも彼女に惚れている
彼にとっては、悪い事ではなかった。


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