艦これ 忘れられた記憶 1
ー某年始ー
かんぱーい!
とある居酒屋で開かれた三人の新年会。三人共に深海棲艦と戦う鎮守府の提督だ。盛大ではないが仲の良い同期が集まっての会だ。
森「いやぁ去年も大変だったなぁ。」
こいつの名前は森。同期で階級は同じ少佐、関東にある第二鎮守府の提督だ。時々飲みに行く仲だったが今は嫁艦の翔鶴にぞっこんで新婚ほやほや。なかなか会えなくなっていた。
笹谷「お前は結婚もしたしな。翔鶴とは良い嫁さんだ。」
笹谷、こいつも東関東の第六鎮守府の提督だ。同期では一番の出世頭の中将だ。頭も良く、部下からの信頼は厚いが無愛想なとこもある。でもなんやかんや良いやつなんだよね。
森「おい福山、お前最近戦果あげてるらしいじゃねぇか!次の中将はお前かぁ?」
福山「おいおい、いきなりそういう話かぁ?たまには仕事以外の話しもしようぜー。」
俺の名前は福山、提督になって七年が経つ。階級は少佐、鎮守府は西関東の第十二鎮守府だ。
実は俺も嫁さんがいる。空母の蒼龍だ。
笹谷「しかし例の海域はかなりうちも苦戦した。お前の戦果は小さくは無かったはずだ。」
福山「お前さんが開いた活路をたまたま抜けれたんだ。まぐれだ。」
結局大概は仕事の話し。まぁうちらは根っからの真面目と遊び人、気楽人間の集まり。共通の趣味は無いから仕方ない。実はもう一人女提督の同期がいるが仕事以外で会うことはない。最後に会ったのは大規模作戦の会議以来だ。
酒も進みそろそろお開きとなった。会計を済ませて外で煙草を吸う。これも恒例だ。
森「やっぱりお前らといると時間が早く感じるわー。」
笹谷「お前は真面目に勤務してないからいつも時間が長く感じるんじゃないのか?」
森「ささやんは相変わらず手厳しいねー。」
福山「そんなんじゃ翔鶴に愛想尽かされるぞー。」
森「おいふくやんまでそりゃねぇよ!」
笹谷「じゃ俺は帰るぞ。」
森「おう!またな!」
俺は二人と手を振ってわかれた。
世間は艦娘の活躍で深海勢の侵攻を食い止め押し返し始めている。人類は今好機を迎えている。今年は重要な年になる。皆がそう意気込み帰路についた。
福「ふぅ、やっぱ寒いなぁ。タクシーでも使えば良かったよ。」
年始の寒い中、海側の道はこれまた凍みる。やっと門まで辿り着いた。
福「お、神通!お疲れさん!」
神「提督、お帰りなさいませ。」
こいつはうちの艦娘、神通。古株で初期から支えてくれてる仲間だ。
福「門番ありがとう!おみやげあるから後で取りに来いよ!」
神「あら、ありがとうございます。楽しみにしてますね。」
ー鎮守府内ー
福「さすがにみんな部屋か。」
今はもう深夜だ。大概の艦娘は部屋でぬくぬくしているに違いない。
こたつのある執務室へ急ぐ。
ーガチャ
?「提督ー。お帰りなさい!」
いつも通りで元気な優しい声。この声を聞くと落ち着くし、本当に休まる。
福「蒼龍ただいま!」
蒼「ねぇねぇその袋何?」
嫁さんの蒼龍。俺が鎮守府に着任してから一番最初に来た正規空母。最初はひよっこでどうしようもなかった俺をずっと傍で支えてくれた。
信頼は愛に変わり、二年前に結婚。前よりは少しは落ち着いたかな…?色んな意味で。
福「饅頭だよ。みんな好きだろ?」
喜ぶ蒼龍の後ろでお茶を出す。神通も来てちょっとしたお茶会になる。
神「すいません提督。わざわざお茶まで。」
福「いいのいいの。いつも世話になってんだから。」
蒼「いいのいいの。」
しばらく話した後、神通は部屋に戻り二人きりの時間。蒼龍を抱き抱えていつものまったりした時間を過ごす。俺はこの時間が一番落ち着く。彼女の一番近くで感じられる幸せな一時。
福「さてと、風呂行ってくる。」
蒼「あら、じゃご一緒しますね!」
蒼龍との入浴は至高だ。彼女の魅了の一つである爆乳は最高の癒しだ。