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バイオハザード
官能リレー小説 - 二次創作

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バイオハザード 34

「準備は出来てるわ、出発するわよ。」
エイダはそう言って電車を発進させた。
車体が振動しながら、ゆっくりと進み始める。
その時、プラットホームから、おぞましい叫びが聞こえてきた。
先程の化物が執念深く追ってきたのである。電車は加速が充分では無く、このままでは追いつかれてしまう。

皆が絶望を感じた時、ハンクは窓から外に飛び降り化物に向かっていった。
「ハンク!!戻って!!」
エルザが叫び、他の者も戻るように叫んだが、ハンクは銃を撃ちながら化物に突進していく。
電車は速度をあげていき、化物とハンクの姿が遠ざかっていく。飛び降りようとするエルザを皆が抑え引き戻す。やがて化物とハンクの姿は闇に溶けて見えなくなった…

車内の女達は沈黙していた。全員ハンクに助けられ、ここまで生き延びてこれたのだ。彼を失った事に悲しみが溢れてくるのを皆がかみ締めていた…

その時、激しい衝撃が車内を襲った。皆が後部の車輌に目を向ける。
そこには、あの忌まわしい化物が張り付いていた。強引に車内に体をめり込ませ侵入してくる。
女達は悲鳴をあげて先頭車輌に走る。
突然、化物の触手が何かを車内に投げ込んで来た。皆は足元に飛んできた それを見て叫び声をあげる。
ハンクであった。
血だらけになり、上半身の左半分がズタズタにされて、左腕が無くなっていた。
化物は勝利の雄叫びをあげると女達に向かって前進を始めた。
逃げ場の無い車内で悲鳴が轟く。その時、ジルとレジーナが武器を見つけた。列車内に格納されていたのは、旧式のロケットランチャーであった。
急いで構えようとしたが、旧式の為か非常に重量があり、さらに揺れる車内である為に狙いが定まらない。
満身創痍のジルとレジーナは、二人がかりでもロケットランチャーを構えるだけで精一杯であり、その重量の為に腕が痺れてきた。
(ダメッ…!狙いが定まらない!このままじゃあ…)
ジルが絶望を感じた時、化物が前進を止めた。
女達と化物の間に、ゆっくりと立ち上がる人影…ハンクである。
茫然とする女達の目前で、ハンクの身体は異様な変化を始めた。
体中の筋肉が隆起していき、失った左腕が急速に再構築されていった。その腕は奇怪に太く、長く鋭い爪先を持っていた。振り向いた顔には血のように真っ赤な瞳が光っている。

彼の中のウィルスが、宿主の死を回避しようと爆発的に活動を始めたのだ。
ハンクは恐ろしい咆哮を放つと、化物に襲いかかる。狂暴な左腕が化物の肉を削ぎおとし、裂いていく。
化物は悲鳴をあげて触手を鞭のように振り回し、ハンクを絡めとる。しかしハンクは力任せに触手を引き千切り、化物の胴体を真一文字に切り裂いた。
汚らしい臓物がこぼれ落ち、激しい腐臭が車内に充満する。
ハンクは後方に飛び、ジルからロケットランチャーを奪い取り右腕だけで軽々と構えた。そしてためらい無く引き金をひいた。

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