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王国
官能リレー小説 - 同性愛♂

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王国 5

「木こりさんとやら、遠慮はいりませんよ、頭を上げて下さいな。」
カインの本意など分かってはいないエリーゼが声を高める。
「ぅ…」
ここで本性を悟られる訳などいかなかった。
自分の夫となるかもしれないナノカ王国の王子が、下半身を晒したまま森を徘徊している男だとは思われたくはなかった。
ここはエリーゼに従うしかなかった。

エリーゼはもとより、大勢の騎士達の視線がソコに集中するのが分かった。
カインは顔を赤く染め、おずおずとそこを両手で覆った。

「おい木こり!エリーゼ姫の申し出を断っておきながら、其所を隠すとはどういう了見だ!」
騎士の1人が怒鳴り声を響かせる。
「そ、そんな…」
「まさか其所に短剣でも隠しているのではあるまいな?」
馬上の騎士はニヤリと頬を上げ、カインの尻丘を槍先で小突いた。

尻を軽く突かれ、カインはその場で軽く飛び上がる。
ますます格好悪くなってきた。ここまで正対していれば、エリーゼも気づく可能性が高い。
仮に今気付かなくてもこの後が不味い、大勢の前で迂闊な事を口走りかねない。一刻も早く離れて印象を薄めなくては。
さっさとドレスを着れば話はすぐに終わるのだが、王子が他国の姫のドレスを着るというのは厄介事の引き金になりかねない。
いっその事逃げ出すか?エリーゼが居る今、深追いはしてこないだろう…。
しかし、騎士達は下半身を露出したカインを楽しむかのように取り囲んでいる。
騎士というものは組織の構造上性欲が溜まりやすいものらしい。現にカインは騎士達が性欲の溜まっていそうな男達を見かけた事があった。
そのせいかカインを見る目つきには性的で下品な物がある。
逃げよう。カインの頭の中にそんな言葉が浮かぶ。
これから嫁となるだろう姫の前で大恥はかきたくなかったし、周りの男達が面倒だ。カインは逃げ道を探る。
その時だった。
後方で悲鳴が聞こえたのは。突然の事に騎士の包囲網が崩れた。
カインは不謹慎ながらも助かったと思った。この混乱に乗じて逃げだせば…。
しかし、悲鳴の原因は気になる。騎士と同じく視線を声の方に向ける。
エリーゼは騎士に連れられて馬車に逃げ込んでいた。
悲鳴の主であるその筋骨逞しい騎士は、下半身を巨大な花に飲み込まれていた。
あっという間の出来事だった。誰も助ける事が出来ぬまま男の姿は包み込まれて見えなくなった。
右往左往する騎士達の元に鎧の残骸が落ちてくる。それだけではない、下に着ていた肌着も落ちてくる。

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