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王国
官能リレー小説 - 同性愛♂

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王国 2

「なるほど…それは良い案だな」
ヤイル王も納得し、その日の内にカイン王子を呼びつけて事の子細を伝えた。

「…という訳だ。カインよ」
「そ…そんな!父上、僕は一気に四人と結婚なんて出来ませんよ!というか結婚自体、早すぎます!」
カイン王子は今年12歳、結婚適齢期と言うにはまだ少し幼かった。
「そう悠長な事も言っておれんのだ…」
「それは、まあ、父上のご容態が良くない事は存じておりますが…」
「それだけではない。…実はな、相次いで死んだお前の兄弟達だが、公的には病死とされているが、実のところ、どうも暗殺らしいのだ…」
「えぇ!?兄上や弟達が!?犯人は!?」
「…わからぬ。我がナノカ王家が無くなって喜ぶ者は国の内外に大勢いるからな。だからカインよ、お前は一日も早く跡取りを成さねばならんのだ。ナノカ王家は安泰と内外に示すためにな……という訳で早く孫の顔を見せろ。でないとワシも安心して死ねん」
「わ…わかりました、父上…」
だがカインには不安があった。

カインは姉妹達と城の中庭でお茶をしていた。
「ハァ…」
「どうしたのですか?カイン」
物憂げに溜め息を吐いたカインに第一王女のフィリスが尋ねる。
フィリスは18歳、ふわふわとしたユルいウェーブのかかった金髪に、少しタレ目気味の青い瞳の姫だ。
性格はのんびり屋というか、良く言えば、おっとり、ほんわか…悪く言えば少しトボけた所がある天然系だ。
こんな事になるまではヤイル王は彼女の嫁ぎ先を探す事に力を入れていた。
亡くなった王妃に似て皆美しい三姉妹には、各地の王侯から結婚の申し込みが殺到していた。
その選考に王は熱心だった。
カインは言った。
「実は、先ほど父上に言われて…妃を迎える事になりました」
「まあ!」
「カインが結婚!?」
「凄いわ!おめでとうございます、お兄様!」
フィリスも妹姫達も驚く。
「カイン、あんた女の子の愛し方なんて知ってるの〜?」
第二王女クリスが少し意地悪そうに尋ねる。
クリスは15歳、瞳と髪の色はフィリスと同じだが、髪の形状は姉とは異なりクセの無いストレート、目はややツリ目気味でキリッとしていて、見る者には利発で芯の強そうな印象を与える。
「あ、そ…それは…」
クリスの見透かしたような発言に、カインは耳までを赤く染めてしまう。
「お兄様はまだぁ知らないはぁよ。だって手慰めだって最近覚えたばかりですものぉ〜」
第三王女アリシアが得意気に声を上げる。
アリシアはカインの双子の妹で同じ12歳、瞳こそは二人の姉と同じ青色だが、クセの無い濡れ羽色の髪は、この国では稀だった。
「ぅぉおい!なんでそのことをぉ!」
「クスッ…アリシアは侍従のアランに聞いたんですよぉ。何でもアランの手を借りたとか…」
「うわぁ!クリスお姉様ぁ!あれはたまたまですってぇぇ!!」
カインは声を荒げる。
「まあまあ、どちらにしてもカインが経験の無いことは確かなようね…」
溜め息混じりに、フィリスは頬杖を着いた…

せめてカインが侍従のアランのように早熟だったらよかったのに…
侍従のアランはカインより1つ上の13歳。
とはいえ、その高き身長と鍛えられた屈強な躯ゆえに、もう立派な青年だった。
「アランはどうかしら?…」
「フィリスお姉様、突然聞かれても、何をおっしゃっているのか分かりませんは…」
「だからクリス…アランは女の子の愛し方を知っているのか?ってことよ…」
「まあ、どうなの?…カイン」
「そ、それは…たぶん…」
"たぶん"と言いつつも、カインはアランが百戦錬磨のことを知っていた。
アランが語る経験談が、カインにとっての手慰めの材料となっていたのだ。

その夜…
「…という訳でアラン、姉上達が言うのには、経験豊富な君に女性の愛し方について教えて貰って、いざ嫁を迎えた時に恥ずかしい振る舞いの無いようにしなさいとの事だ…」
「…そうですか。解りました!このアラン、殿下のためならば喜んでこの身を差し出させていただきましょう!」
「…いや、君は何か物凄い勘違いをしていないかい?」
「そんな事ありませんって…さぁ、ベッドへ参りましょう殿下…」
カインの肩を優しく抱き寄せてベッドへといざなうアラン…。
「ほら!さっそく勘違いしてるじゃないか!僕は女性の扱い方について“口で”教えて欲しいと言ってるんだよ!?」
「何と…口淫をお望みですか!?初っ端から随分とマニアックな…」
「…うん、僕が悪かった…君はもう下がって良いよ…」
「すいません、ちょっと悪ふざけが過ぎました」
「頼むよ…こっちは真面目なんだからさ…」
「しかし口で説明しろって言われてもなぁ…こういうのは言葉で伝えるには限度があって…そうだ!」

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