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『鵺と妖刀』妖気は伝染する
官能リレー小説 - 同性愛♂

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『鵺と妖刀』妖気は伝染する 2

「悪いけどこれは渡せねぇ。この剣だけは絶対に手放せない理由があるんでな…」
「それなら仕方ないな…。同行する話は無しだ。一人で行ってくれ」
佐次郎はあっさり引き下がり、さっさと歩き出す。五郎蔵はその背中を見ながら呆気に取られていたが、すぐに我に返ると慌ててその後を追った。
「待ってくれ!こんな所で一人きりなんて無理だ!置いていかないでくれよ!」
佐次郎は後ろを振り返ると、五郎蔵が追いついてくるのを待って再び歩き始めた。
こうしてなんだかんだで二人は共に行動する事になったのだが、佐次郎はまだ五郎蔵の正体に気づいていなかった。
一方その頃、野盗達はと言うと――
川辺で水浴びをしていた野盗達の一人が、何かを察知したかのように急に立ち上がる。素っ裸なので股間のイチモツが丸見えになっているが、本人は全く意に介していないようだ。
「おい、どうした?」
隣にいた野盗が声をかけると、男は険しい顔つきになって言った。
「さっきの奴が近づいてきてるみてぇだ…」
「なんだとぉ?どうして分かるんだぁ?」
「分からん!勘だ!」
「勘だぁ?お前の勘なんか当てになりゃしねえよ!どうせ大したことあるめえよ!おらぁ!もっとしっかりイチモツ洗わねえか!おらぁ!」
仲間は男に石鹸を投げつけた。
「いでっ!分かったよ!だから投げつけんじゃねえ!」
男は再び股間を洗い始める。他の仲間も同様に股間を重点的に洗っており、彼等のイチモツは白い泡に覆われていた。
なぜ彼等が股間ばかりを念入りに洗っているかというと、そこには深い事情があった。
少し前に立ち寄った宿場町にて、彼等はある噂を聞きつけたのだ。
なんでも、この先には百合の様な形状の花が群生しておりその花弁に陰茎を挿入すれば天にも昇るような快楽を得られるらしい。
真偽の程は不明だが、もしそれが本当なら試さない手は無いだろう。
そして、彼等は股間に付いた汚れを落とすべく、ここで入念に洗浄しているというわけである。
だがそうしているうちにムクムクと欲望が湧いてきて、気がつくと全員の股間はビンビンに勃起していた。
「あぁ〜!我慢できねえよおおお!」
「ダメだ!花に突っ込むまでのもう少しの辛抱だ!耐えろ!」
「でももうはち切れそうだぜ…うぅ…」
股間を泡だらけにした野盗達が悶々としていると、遠くの方から人影がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
それが佐次郎と五郎蔵だということに気づくと、彼等は慌てて茂みに隠れて様子を伺った。
「やっぱり俺が言った通りじゃねえか!あいつらこっちに向かってきてやがる!」
「くそっ!面倒な事になっちまったな…」
「あの時、さっさとここを離れてりゃよかったんだ。それなのに俺の勘を馬鹿にしやがって…!」
「過ぎた事を言ってもしょうがねえ。とりあえず、ここは一旦退いて…」
「おい!あいつらが向かった先、例の花が咲いている場所じゃねえのか!?」
「何だと…?」
「見ろよ!あの二人、俺等の目的地に向かって一直線に進んでいやがるぞ!」
野盗達の視線の先で、佐次郎と五郎蔵はどんどん遠ざかっていく。やがて二人の姿は完全に見えなくなった。
野盗の男達は慌てた。厄介な奴がよりに寄って自分達の目当ての場所に向かっているとは。

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