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島での出会い
官能リレー小説 - 同性愛♂

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島での出会い 1

「う…う〜ん、ここは…?」
気が付くと、俺は砂浜に横たわっていた。
体を起こしてキョロキョロと辺りを見回してみる。
青い空、白い雲、目の前にはどこまでも広がる大海原、後ろには立ち並ぶ古びたコテージ群。
…どうやらここは無人島らしい。
「大丈夫か?どうしてこんな所に倒れていたんだ?見たところ漂流者みたいだが」
声のする方へ顔を向けると、そこには金髪碧眼の青年が立っていた。
年齢は俺と同じぐらいだろうか? 整った目鼻立ちでとても優しそうな顔をしている。
その服装は腰に小豆色の布を巻き付けただけというシンプルなものだったが、それがまた彼の爽やかな雰囲気によく似合っていた。体格は細身に見えるけど、よく鍛えられているようだ。彼はこちらに向かってゆっくりと歩いてくる。
そして俺のすぐ側まで来ると片膝をついてしゃがみ込み、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
近くで見るとますますイケメンだなぁ…。
それに何だろうこの感じ…まるで太陽のような温かさを感じるような気がする。
「どこか怪我でもしたんじゃないのか?」
おっといけない、ぼーっとしてしまった。
とりあえず返事をしておかないと失礼だよな。
「えっと、はい、大丈夫です。ちょっと頭がボーッとしていて…」
「本当に大丈夫なのかい?
心配気に顔を近づけてくる青年…
睫毛が少女漫画に出てくるみたいに長い…

「はい、怪我もしていないみたいです……それよりここは何処です?」
どうして俺がこんな所にいるのか?さっぱり分からない…

「もしかして記憶がない?…自分の名前は分かりますか?」
熱を測るみたいに俺の額に手の平を宛てがう青年…
彼の滑らかな指の感触がとても気持ちいい。

「えっと…」
頭の中をフル回転する…
脳内に刻まれ、決して剥がれることは無い筈の自分の名前が思い出せない…

「頭を打ったのかもしれませんね…とりあえずロッジにお連れしましょう…」
青年はみるも容易く俺の身体を抱き抱える。
決して華奢とは言えない俺の身体を軽々とお姫様抱っこするとは、見掛けに寄らず力強いのだ、感心してしまう。

「申し訳ない…俺が美少女とかだったらよかったんでしょうが…」
自虐的に恥じらう…
こんな絶好な景色の中、半裸のイケメンにお姫様抱っこされるのは美少女だと相場は決まっている。

「冗談言わないでください…僕は貴方で充分です…」
無表情のまま嬉しいことを言ってくれる青年。
この青年とは上手くやっていけそうだ…と、ちょっと胸が高鳴った。

何もかもが真っ白な室内。
その無機質な空間が心地よかった。
糊の効いた真っ白なシーツの上に下ろれ、彼の温もりが離れていく…

「ありがとな、此処で働いているの?」
東南アジアのホテルでは、有閑マダム相手にビジュアル重視でイケメン従業員を揃えると聞いたことがある。

「働くと言っても、お客様はいらっしゃいません…」
こんないい気候なのに、シーズンオフなんだろうか?



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