Girls,be ambitious. 2
俺、今までにない声で思いっきり喘いでた。
「キモっ」
知らない内に呟いていた。
鳥肌がたつ。
結局、朝方まであの変な夢が邪魔をしてろくに眠れなかった。
寝不足でぼーっとする頭をシャワーでハッキリさせようとしたが失敗。
コーヒーのブラック濃いめを飲んでも、纏わりついている眠気は覚める気配がなかった。
というより、むしろ一発ヤッた後のような気だるさが体に残る感じだ。
「あー…自己嫌悪…」
重い頭をかかえさっきからそんな事ばかりを考えている。
まだ授業始まったばかりなのにこれじゃ今日もたねぇわ。
なんとか顔をあげて黒板を見ようとすると、あいつの姿が目に入った。
俺の斜め前の窓際の席。
青海川……相変わらずのフェロモンだ。
すっと鼻筋の通った綺麗な横顔、バックは雲一つない青空。
俺はと言うと、全てが並。
どこにでも居る個性も特にない平凡な学生。
別に悪い点はないが、良い点はどこかと聞かれたら困る。
あいつと俺とはまるで正反対の世界に居るんだな。
(あんな夢を見たのも気持ちのどっかで憧れがあったのかもなぁ…)
かと言ってなんであんな夢を………あぁ。
思い出したらまた気分が落ちてきた。
夢なのにすげぇ破壊力。
キーンコーンカーン…コー‥ン
「授業はここまで。今日の範囲は重要ですから各自しっかりと復習してきてください」
結局授業には集中できなかった。
まぁいつもそんな集中してる訳でもないけど。
ふーっ と俺がため息をついた間に青海川の周りにはたちまち人でおおいつくされた。
相変わらず喋ってないようだけど、ほんの一言二言と相づちや返事だけで歓声が上がる。
もう半月も経ってるのに未だ人気は衰えない。
「ご苦労なことで…」
そう思いながらぼーっと観察していると、青海川はおもむろに立ち上がり
なぜか俺の方に向かって歩いて
そして俺の目の前で止まった。
その長身はかなりの圧迫感だ。
「……えっ、なに...」
(動揺して言葉が出ない)
 ̄