恋×友達=片思い? 2
「それで、だ。和人に言い知らせがある」
「何?」
「明日な、転校生が来るんだよ!」
「そんなこと先生言ってたっけ?」
少なくとも記憶にはない
「先生が話しているのを盗み聴きしてきたのSA!」
「でも…女の子かどうかは分からないでしょ?」
僕の返答を聞くと、彼はちっちっちっ…と指を左右に振った。
「俺にはわかるのさ。明日来る転校生は必ず女!しかも超飛び切り可愛い娘!!!更には性格もお淑やか!!!!!俺の美少女センサーがそう告げているぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
また暴走し始めたみたいだ。回りからの目が痛い…(多分彼に向けてだ。そう信じておこう…)
「はぁ…」
悪友のテンションとは裏腹に僕のテンションは低い。転校生が女の子であろうとなかろうと…僕には関係ない…
三回…
フラれた数だが、もうあきらめかけていた。自分が意外とモテる方だとわかっただけでも収穫だ。逆の立場の人からすると贅沢な話しかもしれないが、僕には人を幸せにする力みたいなものがないらしい。そんな僕と付き合っても楽しい筈がない。むしろ付き合わない方が相手の為にもなる。もう彼女は作らない方がいい
僕はそう決め込んだ。
次の日
「今日は転校生を紹介します。山野藍さんだ。」
先生の紹介で教室に入って来た転校生は悪友の言う通り見事に女の子だった。しかも飛び切り可愛い
「皆さん…よろしく…お願いします…」
しかも大人しそうだし…
彼には本当に美少女センサーなるものがついているのかもしれない…
正直驚いた。
完全的中させた彼を思わず見てみると、喜びのあまりか、わけのわからない叫び声を上げてくるくる回っており、回りの同級生達から「病院行け」と言われていた。
いくら山野藍が飛び切りに可愛くたって、
フラれた次の日に別の女の子に切り替えられる程、僕の心は薄情ではなかった。
それに僕は、自分に見合った相手をちゃんと心得ていた。
そう言った意味では、僕をフッた女の子たちはハードルの高い方ではなかったと思う・・・
山野藍のようなこんな可愛い子が僕と付き合うこと自体、考えられないことだったし、
せいぜいなれたとしても"友達"止まりになることは、分かりきったことだった。
それにフラれる数を四回に伸ばしてところで、
それは同級生達の噂話しに貢献するだけで、
それさえも、四回目ともなると、話題にさえ登らないような気がした。
そんな"モテない男子=鷹島和人"というその"イコール"で結ばれるのだけは避けたかった。
彼女は作らない・・・僕はそう決めたんだ。
一生誰ともキスもせずに、チェリーボーイのまんまで"清く"死んで行こう。
僕があの世に逝ってから、"和人クンと付き合っていればよかったー" なんて後悔しても、もう遅いんだ。
その時の僕は、天国のビィーナスに「よくがんばりましたね♡」なんてキスされてぇ〜
初体験を向かえてるんだぁ〜☆