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てのひら
官能リレー小説 - その他

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てのひら 1

ギャビンは松明を頭上に掲げた。暖かな明かりに照らされて、大量の男が浮かび上がった。
頭上、壁面、そして地面。
あらゆる場所にスライムに取り込まれた冒険者がいる。装備は溶かされ、服もなし、逞しい肉体だけを曝け出して、呆然とした表情で痙攣している。
これはすべて、スライムに返り討ちにあった男たちだ。
心底嫌そうに顔を歪めると、ギャビンはため息をこぼしつつ両てのひらを合わせた。
「まったく。どうしてむさ苦しい男どもの裸なんぞ、わざわざ見なくちゃならねぇんだろうなぁ」
ギャビンの右てのひらには赤い上向きの三角形が、左てのひらには青い下向きの三角形が描かれている。
それらを重ね合わせつつ、ギャビンはなにやら念じ始めた。
「どうせならよぉ。キレイな姉ちゃんの裸を拝みたかったなぁ、っとぉ」
続いてギャビンの目の前に複雑な紋様の魔法陣が現れると、スライムに向かってツンとした臭いのするベチャベチャした油のようなものが噴き出していく。
スライムたちが嫌がるように身悶えるなか、ギャビンが右手の指を鳴らすと、虚空に火花が散りスライムごと油が燃え上がった。
スライムは断末魔をあげるが如くグネグネと身悶えながら焼き焦げて小さく縮んでいく。
取り込まれた男たちも熱に炙られて悲鳴をあげているが、ギャビンは一切気にすることなくスライムの最期の足掻きを見下ろしていた。
「っとによぉ。いい歳した奴らが揃いも揃って、足元掬われて情けなくないのかねぇ。よりにもよって姉ちゃんたちは、キッチリと警戒して手出ししてねぇしなぁ。」
ギャビンは愚痴愚痴と益体のない繰り言をこぼし、男どもは肉体と精神を同時に虐められてグスグスと涙をこぼしてえづいてる。

やがてスライムが真っ黒な残骸に成り果てた頃。ギャビンは左手の指を鳴らして辺り一帯に霧を生じさせて鎮火をした。
真っ赤な肌の男たちもその恵みの水分で熱を冷ましている。
次にギャビンが右手の指を鳴らすとスライムの残骸周りの地面が沈み込み、そのまま地下深くへと埋め立てられていった。
「はいおしまい、っと。じゃあ俺ぁ帰るから、お前らもさっさと酒場に顔出して生き恥を晒せよなぁ〜。」
ギャビンが男たちに背を向けて、さっさと歩き去ろうとする。
「ま、待て! 待ってくれ...!」
「あ〜ん? なんでだよ?」
呼び止められ、面倒くさそうに振り返るギャビンに、素っ裸の男たちがすがるように懇願した。
「頼む!俺にその力を分けてくれ!俺もあんたのように強くなりたいんだ!」
「俺だって、もうあんなスライムに負けるのはたくさんだ。あんたみたいに強くなれるならなんだってするぜ!」
男達は肉体も精神もズタボロにされたせいで、羞恥心をかなぐり捨てている。
すがるようにギャビンに頼み込んだ。
「はぁ〜ん? 鍛えてくれ、ねぇ?」
ギャビンは面倒くさそうにガリガリと頭を搔いてため息をこぼした。
「あのなぁ、俺のこの力は『神力』って言ってな。神様から授かった特別な力なんだよ」
ギャビンが右手を鳴らすと火花が舞い、礫が跳ね、光が瞬いた。
「それをよぉ…自分らの敗因も理解出来ず、通すべき筋も通さず、ただただ乞いて求めるだけの野郎どもによぉ…!」
左手を鳴らすと霧が満ち、風が渦巻き、闇が覆った。
「わざわざ触れさせてやる道理なんてねぇじゃねぇか、えぇっ?」
ギャビンはてのひらを打ち合わせると、地面に跪く男たちの下に魔法陣が拡がる。
そして黒光りする塊が湧き出ると、野郎どもの肉体を持ち上げて並べるように立たせた。
「うぎゃあぁぁ゛ぁあっ?!」
「があぁぁっ! ど、どう…ぢて…?」
既に錯乱しつつあった野郎どもの混乱は加速していく。
スライムから解放されたというのに今度はギャビンによってまた似たような物に手足の自由を奪われる。しかも黒光りする不透明なその塊は彼等の視界を完全に塞いでしまった。

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