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電車
官能リレー小説 - その他

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電車 1

電車が急加速をし始めた。
ポイントが切り替わったらしく、見た事も無い場所を走る。どこの駅にも停まらないまま、電車は疾走し続けている。
「ど、どうなってるんだ?」
乗客はみんな驚いている。乗客をよく見たら同い年位の少年ばかりだ。
彼等は事情を知らないようで、なぜ電車に乗っているのかさえも理解できていないようだ。
「なんで俺達電車に乗ってるんだ?」
「そんなの、こっちが聞きたいよ」などと言い合っている。
いつしか外の風景は、都心の風景からモヤモヤした異空間の様なものに変わっていく。
こうなると車内の少年達の混乱は更に増すばかり。だが、車内は満員状態なのでどうにもならない状況だ。
 
 電車はだんだん速度を落とし、特にアナウンスもなく、駅に止まった。
 風景は異空間のようであることは変わりない。ただ、そのホームには複数人の女生徒がいることだけは、電車の中の彼らにも見えた。
 ドアが開く。

 「あ、あの…ここは…えっと、どこですか?」
 ドアの近くにいた少年が、緊張しながらホームの女子に問いかける。
「それよりも私たちと楽しいことしましょ。」
そう言って美少女たちが電車に乗ってきた。
「私たちに抱き着いていいよ。」
そして、再びドアが閉まって電車がゆっくりと走り出した。
「抱き着いていいって、何なんだ?お子お姉さんたちは?わけがわからない」
 窓の外は引き続き異空間。昼だか夜だかすらわからない。
 満員の中にさらに数人の女子が乗り込んだので、ますますすし詰め状態になる。
 さっき「抱きついていい」と言った女子の近くにいた少年…たかし…は、必死にその女子に接しないように離れようとしていた。
 「君、どうしたの?私から、逃げないでいいのに」
 「逃げないと、僕、痴漢…冤罪に、なっちゃうかもです」
たかし少年が必死な表情でそう言うと、その女子以外の周囲の女生徒たちまで一斉に笑い出した。
「私が良いって言ってるのに…そんな心配しちゃうんだ」
「満員なんだからそこまで気にしないし、もし痴漢と言われてもちゃんと証言するよ?」
「でもさ?悪いお姉さんに捕まったら、冤罪にされちゃうかもしれないよ。」
「こんな状況で真面目だね。もっと楽しんじゃえばいいのにさ」

たかし少年が周りを見ると、押し流されて女子に挟まれてる少年や、こっそりと美少女に抱きつく少年、逆に女生徒に抱きしめられてる少年などがいた。
「ほらほら。よく分からない状況で、変に悩んでちゃ疲れちゃうよ?お姉ちゃんの腕の中で、リラックスしようね」
美少女に抱き寄せられたたかし少年は、制服越しに伝わってくるほんのり温かな体温と、甘い匂いと柔らかな感触に頭の中が真っ白になった。
頬を受け止める胸の弾力、奥から聞こえる心臓の鼓動、女生徒のこぼす吐息が焦る心を落ち着かせてくれた。

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