銀髪お嬢様とメイド隊 2
「お嬢様!」
信頼と愛情に満ちた大切なメイドの気遣いと心配に満ちた視線を受けて身体から力が抜けていき気が遠くなり頽れるように倒れるジェーニャを、サーシャが慌てて抱き支えた。
「サーシャ、サーシャぁ……」
サーシャのぬくもりと柔らかさに満ちた身体で抱かれ、緊張の糸が切れたジェーニャはただただ泣いていた。
「お帰りにならないから、屋敷の皆心配していたんです、それが…こんなに…我々メイド隊が至らないばっかりに…」
「ち、違う、っ、サーシャは、みんなは、悪くないよっ…私が、私が、っ…」
詫びるサーシャに、自らも詫び返しながらジェーニャは泣きじゃくる。
「屋敷に帰りましょうお嬢様」
泣きじゃくって最後には泣き疲れて眠ってしまったジェーニャを優しく抱きかかえ、サーシャは明け方の小路を歩き出した。