淫声解放 6
2日後、アフレコのお仕事。
ヒロイン役を演じさせてもらっている作品。
「お疲れさまでした」
順調に仕事をこなし、スタジオを出ようと思った時
「真梨子ちゃん、一杯いかないかい」
「え、監督?」
まさかの食事のお誘い。しかも監督さんから。
「あ、あの…監督、今日は…」
「何、支払いは僕が全部出すから。久しぶりだからね。積もる話もあってね」
「は、はい…」
仕事が終わったらまっすぐお家に帰って家族で過ごし、そしてダーリンと……って考えていた矢先のお誘い。
とてもお世話になってる監督なので、断ることができませんでした。
連れていかれたお店もすごくいい店で、食事もお酒も美味しくて、監督はいろいろ楽しい話もしてくれて…ダーリンには悪いと思いながら、とてもいい夜でした。
そこそこお酒を飲んで、程よく酔った感じで飲み会はお開きとなる、予定だった。
そろそろ終電だから早く駅に行かなきゃ、と思ったところで、私の手を誰かがつかんだ。
「真梨子ちゃん、今日は遅いから泊って行かないか」
「そ、そう言われましても…」
手を掴んだのは監督だった。
「何、家のことなら大丈夫だろう、遠慮することはないさ」
「え、まあ、その…」
断るつもりでいても私のことを知っている監督さんだからと、つい答えをためらってしまう。
押しに弱い私を、監督さんはとてもわかっているし…
「ほら、遠慮しないで」
監督はタクシーを呼んで、私に乗るよう促した。
躊躇おうとした私を、監督は無理矢理……というわけでもないが押し込むように車の中へ誘導し、そのあと自分も乗り込んだ。
監督は自宅マンションの場所を運転手に教え、タクシーはそれに向かって走っていく。
途中、監督は何度も私の身体にボディタッチを繰り返した。
こうして私は監督のマンションに来てしまった。
監督は私をリビングの椅子に座らせてどこかに電話をかけていた。何の話をしているのかは全く聞こえない。
「やはり彼女には特殊な能力があるらしい。実はこっそりテストしてたんだよ、その超能力が本物かどうか調べるためにね」
「テストと言いますと…」
「彼女には簡単な健康診断と伝えて、超能力の精密検査をしたんだ。やはりあの声には秘密があったよ」